【WORLD】R.マキロイにあふれる魅力/マスターズプレビュー
Golf World(2013年4月8日号)texted by Curt Sampson
マキロイのパブリックライフに関する姿勢は、1970年以前に生まれた人間には少々軽率にも見えただろう。それは、決してプロテニスプレーヤーのキャロライン・ウォズニアッキを恋人として選択したからではない。2人が互いに違う個人競技のプロスポーツで強いられる各々のスケジュールをやり繰りできるかどうかを疑ったわけでもない。それは、それぞれがお互いにあてたツイートでのやり取りが原因だった。
1月23日のキャロライン:「旅行スタート!ロリー・マキロイが運転してくれているの!山々、そして雪の見える場所に到着!(彼女はエクスクラメーションマークがお気に入りのようだ)」
1月24日のロリー:「目覚めに見る光景にしては悪くないね!これから数日キャロライン・ウォズニアッキと素晴らしい日々を過ごすよ(シャレーと呼ばれる別荘のデッキ、雪が降り積もった常緑樹、そしてアルプス山脈が見える写真付き)」
現代は他人の行動を自分のことのように感じられる世の中ではあるだろう。彼女とのプライベートな時間を過ごす情報の共有は、マキロイの1,584,221人のフォロワー、そしてウォズニアッキの478,005人のフォロワーにとっては最高の瞬間となったに違いない。だが、自分が23歳の頃、母親や200万人を超える人々に交際相手とどこで、何をしているかを知られたいと思うだろうか?
そういうツイートは、会見後にとっておく方が賢明かもしれない。
“シックスバッグス”とは、マキロイが新たに設立した財団で行った第一段プロジェクトの名称。今シーズンの前半戦、キャディのフィッツジェラルドが持つバッグには地元の子供に関連するチャリティ団体名が刻まれ、大会後オークションに出品されるのだという。「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」では“Boys & Girls Clubs of Tuscson(ツーソン・ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブ)”と刻まれていた。
ツーソンの少年少女達とボーイッシュなゴルフヒーローとの関係性は、傍目にハッキリと見て取れる。全員が“Thank You Rory!”とプリントされた揃いのTシャツを着用し、笑顔のマキロイの周囲を囲んでいた光景は、まるでマキロイが英国王のように見えるほどだった。楽しい思い出が済んだ後、私は子供達にマキロイのどこが好きかを尋ねた。子供達は皆マキロイを尊敬していると語り、自分達の名前が全国誌に掲載されることを希望した。
「ロリーは凄く優しくて、凄い人!凄く温かい心を持っている人。彼ならどんなホールでも上手くプレー出来る。秘密も守れる。とても良い人で、リスペクトしている。あとはゴルフが上手なところが好き。話も上手だし、スポーツマンシップに溢れているから」。
質問に答えてくれたのはアヒデアリ、ダニエル、ジャスミン、マラカイ、ジェイコブ、ゴエル、ジャヤ、ヴィクトリア、ミゲール、ジャニス、そしてアニーサ。8歳から17歳の子供達で、将来のスタンダップコメディアン、もしくはアリゾナ州知事の候補となる可能性も秘めている。
「子供達の言葉は、彼の誠実さを表していると言えます」とは、Boys & Girls Clubs of TuscsonのCEOアーマンド・リオス氏の言葉で、「もちろん彼にとってはPR的要素も含まれた行動でしょうが、彼のコメントからは、本当に子供達を助けたいという思いが伝わってきます」と語ってくれた。