データが物語る米ツアー選手、石川遼
元コーチが、石川遼の明日へのアドバイス
「週刊ゴルフダイジェスト」(4月2日号)より
今季から本格参戦した米ツアーで、苦戦が続く石川遼。はたして、いまの石川遼に足りないものは、なんなのか? 週刊GDでは、このことをテーマにプロやコーチ、識者にインタビューしたワイド特集を組んでいるが、その中から、一時コーチを務めていたマイク小西氏の言葉を紹介しよう。
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以前の遼くんは、怖さを知らない攻めをしていました。いろいろと模索をするなかで怖さを覚えてしまったように見えます。それがショートゲームに出ています。いいときの遼くんは、とんでもないところから、チップインを奪うというアプローチをたびたび見せていましたが、ショットに自信をなくしてから、アプローチにも自信が持てなくなっているように見えます。
とにかく、「これだけを守っていればいいんだ」というスウィングを見つけることです。多少ショットが悪くても、スコアを作れるのが一流です。最近の遼くんは、スコアを見ているとバーディ数が減っているのに、ボギーが増えている。アプローチさえちゃんと寄っていれば、ボギーはそれほど多くなりません。それはショートゲームに問題点がある証拠。
ただ、スランプといっても、発展途上の落ち込みにすぎず、それほど心配する必要もないでしょう。
どんなスーパースターでも、そこへ昇り詰める過程では、どん底とか、苦悩を味わっています。それがあるから、一流になれます。そういう意味では、今経験している苦労は無駄ではありません。むしろ、中途半端にただ予選を通るだけよりも、カットラインに遠く及ばないほうが、よりよい経験になります。
今、必死で取り組んでいることが、それを掴み取る力の元になります。そういう意味では、今のような時期をすごすのは決して悪いことではありません。
●マイク小西(まいく・こにし)/1945年東京生まれ。9歳の時に父親の影響でゴルフを始め23歳でハンディ1を取得。その後、13年の歳月をかけて独自のゴルフ理論「S・N・Sメソッド」を完成。マーク・オメーラ、パティ・リゾ、ダン・フォースマンなど、多数のプロ、アマチュアを日米で指導してきた。92年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。