タイガー、復活Vまでにかかった日数は……
タイガーになるには「お尻を中へ」が肝心!?
「週刊ゴルフダイジェスト」連載「サルでもできるタイガー打法」(2013年1月1日号)より
復帰後のタイガー・ウッズがスウィング改造に取り入れたことで、一躍脚光をあびた左1軸スウィング。左1軸スウィングの大きな特徴のひとつは、体重移動をしないでテークバックすること。右に体重移動しないことによってテークバック~ダウンスウィングの「体の回転をスムーズにしよう」というのが狙いだ。
そう言いながらも実際には「回転がうまくできない」「インパクトでバランスを崩してしまう」というアマチュアの声もチラホラ。体の回転にキレを生み、飛距離アップにもつながる動作「テールボーン・プッシュ』について、ツアープロの中村 龍明と、伝説のプロ、M・オグレディに1軸打法を学んだジョン・パーカーが熱く語っている。
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GD:ダウンスウィングで尾てい骨を前へ押し込むテールボーン・プッシュの動きについて、改めて聞いていきたいのですが……。
ジョン:米国では、よく“Use Big Ball to Hit the Little Ball”って言います。大きなボール、つまり地球を使って、小さなボール(ゴルフボール)を打てって。テールボーン・プッシュは地面から力をもらう動作。氷の上ではできません。グラウンド・プレッシャーが得られないからね。
中村:ダウンからインパクトで飛球線方向に尾てい骨を突き出す動きがテールボーン・プッシュです。左1軸スウィングでは「下半身先行」のダウンスウィングが大切で、この動作をしようとすれば、自然と「下半身先行」になりやすく、体重も左足に乗っていきます。
ジョン:なぜテールボーン・プッシュするのか? その答えはずばり回転を止めたくないから。回転が止まるとクラブの遠心力に引っ張られて、フォロースルーでグリップが体から離れていってしまいます。つまり、マルのスウィング軌道ができなくなります。
GD:マルの軌道は左1軸の大前提ですからね。
中村:だから、さっき言った「ダウンスウィングの段階からテールボーン・プッシュは始まってる」ってことが大事になるんです。尾てい骨をターゲットに向けて突き出すようにスウィングしていくんです。テールボーン・プッシュの動きをインパクトであわててするのではなく、ダウンスウィングの段階から徐々に入っていきます。
ジョン:テールボーン・プッシュがうまくできると、フォローで左右の太ももがピタリとくっついて、右腰が高いところにおさまったフィニッシュになります。もし、やってみて左腰よりも右腰が下がったフィニッシュになっていたら、それはテールボーン・プッシュが足りてない証拠です。この打法の源であり、ボクのかつてのコーチでもあるオグレディには「Get the Right Hip Up!!」って、よく言われました。「右腰を高く!」。これ大事です。
中村:シャンクが出たり、プッシュアウトが出る人は、テールボーン・プッシュの方向がきちんとターゲットラインに向かず、ターゲットの右に向かっていることが多い。
GD:より一層、綺麗なマルが描ける、つまり、テールボーン・プッシュがうまくできるコツみたいなものはないでしょうか?
中村:お尻の両サイドの、力を入れると凹むところをチーク、エクボみたいな意味で言うんですが、このチークを作るようにスウィングするといいんです。お尻をギュッとスクウィーズ、絞る感じですね。
●中村 龍明(なかむら・たつあき)
理想のスウィングを追い求めて世界を旅して、この理論に心酔、実践するスウィングおたくのツアープロ
●ジョン・パーカー
伝説のプロ、M・オグレディに学んだ1軸の打ち方を世に広めるべく、都内のGoodFieldGCで日夜レッスン