スイスの伝統大会に星野陸也、久常涼、桂川有人、川村昌弘が出場
2024年 オメガ ヨーロピアンマスターズ
期間:09/05〜09/08 場所:クランスシュルシエレGC(スイス)
「P7CBアイアン」に「Hi-TOE4ウェッジ」 久常涼が渡欧前に新作クラブをテスト
PGAツアーのシード選手として1年目のレギュラーシーズンを終え、年間ポイントレース(フェデックスカップランキング)84位で来季シードを確定させた久常涼。さらなるポイント加算を狙うフォールシリーズと、今季シードを持つ欧州ツアーに向け、一時帰国したタイミングで新しいクラブをテストしていた。テスト会場の瑞陵ゴルフ倶楽部(岐阜県)に潜入してきたので、その試打インプレッションをいくつか報告しよう。
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まずはアイアン。10年ぶりに復活したテーラーメイドの「P7CB」は、契約プロが続々とスイッチするなど評判のモデルで、看板選手の久常も漏れなくテストした。現状のエースである「P7MC」(4I~PW)は、2年前に日本ツアーにいたころから使ってきた長年苦楽をともにしてきた相棒。そのカオや打感、弾道が気に入っているだけにいきなりは替えないと思われたが、「4番アイアンがちょっと気になっていたんですよね。もうちょっと楽なやつはないかなと探していた」と新CBの長い番手に期待を寄せていたようだ。
ロリー・マキロイ(北アイルランド)やコリン・モリカワが「PROTO」と刻印された同モデルのロングアイアンをバッグに入れていたのを、久常もチェックしていたのだろう。
ひとしきり打った後に、「球が上がりやすいし打感がすごくいい。ロングアイアンの高さが出ていなかったので、そこだけCBにしてもいいかなと思いました」と評価。米ツアーで1年間戦ってきた中で、ライバルたちのロングゲームの精度の高さを目の当たりにしてきたからこそ、その番手の重要性が身に染みているのかもしれない。ひとまず、5日(木)に開幕する次戦の欧州ツアー「オメガ ヨーロピアンマスターズ」(スイス)に新CBを持っていき、試合で試すことが決まった。
続けて久常はグリーン周りに場所を移し、ウェッジのテストを開始。手にしていたのはフェース面にスコアラインがびっちり入ったモデルだ。「新しいハイトウウェッジです。昔は56度を使っていたことがあったので、そのロフトでまた作ってもらいました」とのこと。聞けばテーラーメイド「Hi-TOE4」という日本では未発表の新作で、アメリカではひと足早くツアープロの試打が始まっている模様。さすがPGAツアーのシード選手はクラブテストも早い。
「ハイトウは開きやすいから、上げやすいイメージが湧くんですよね。どうしてもシビアな位置、球を高く上げないといけないシチュエーションが多いから、この顔はイメージを出しやすい」。現状は「MG4」の56度を入れているが、毎週のようにグリーン周り、グリーンの芝質が変わるPGAツアーでは、選択肢を多くしておく必要性があるのだろう。
新しいHi-TOEに関して情報はほとんど入ってきていないが、ヘッドをよく見るとミルドグラインドがバックフェースのトップ部分にも施されているのが分かる。フェースを開いたときに、どのような効果があるのだろうか。久常はCBと同様にHi-TOE4の56度も欧州に持っていくことを決めた。モデルはトウヒールとトレーリングエッジを落としたATSソールだ。
アイアン、ウェッジをテストし、さらに藤倉コンポジットの新しい「ベンタス」シャフトをテストして投入を決めたのは既報の通り。久常は次週から欧州ツアー3連戦を予定している。その後は渡米し、PGAツアーのフォールシリーズに挑む予定だ。「少しでもポイントを稼いで順位を上げたい」と久常。帰国しても次のシーズンに向けてクラブテストをするあたり、この男に「休む」という選択肢はない。(編集部・服部謙二郎)