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2013年 ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション
期間:01/17〜01/20 場所:PGAウェスト(パーマーコース)(カリフォルニア州)

<佐渡充高の選手名鑑 60>石川遼

■ 「ヒュマナチャレンジ」を初戦に選んだ石川のもくろみ

米ツアーのシード選手となった石川遼がいよいよ今週の「ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション」(カリフォルニア州ラキンタ)から挑戦が始まる。石川は昨年、米ツアーで年間獲得賞金額を約87万ドルに積み上げ、シード権獲得の必要条件となる同ランク125位(ケビン・チャッペル/64万7,510ドル)以上を確定させて、自身初となる同ツアーシード権を手にした。

今大会を初戦に選んだのにはいくつかの理由がある。一般的には少しでも多くのチャンスを生かすために前週の「ソニーオープン in Hawaii」からの参戦を考えるかもしれないが、それでは万全を期すためにいくつかの弊害が出てしまうのだ。ヒュマナは3コースを使用し、時間的に全コースを完璧に練習することはかなり厳しい。ハワイの「ソニーオープン-」から月曜日に移動すると、2日の余裕しか無いからだ。全てが初めての石川にとって練習ラウンドが不十分な形で挑みたくないと考えるのは当たり前のことだ。もう一つは移動の問題だ。石川は西海岸ではカリフォルニア州サンディエゴ郊外のカールスバッドに拠点を構えている。大会会場へは車で2時間30分と移動もしやすい。ハワイから出場した場合のデメリット、今大会から出場するメリットを考えると今週を初戦に選んだことは良く考えた上での選択だと思える。

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■ プロアマ形式の試合にどう対応?ミケルソンも出場

今大会は最初の3日間は、プロ2人アマ2人を一組としてプレーする。同伴競技者と会話などをしながらのプレーとなるので、気持ちの切り替えも大切な要素となる。プレー時間も18ホール5時間を優に超えるので集中力を維持するのも容易くない。米国選手でも社交術があまり得意でない選手は敬遠する試合でもある。アマとの交流と、勝負という二つの側面にうまく対応できる力も同大会での活躍のカギを握る。さらに今大会からフィル・ミケルソンが参戦。フィールドは今週以降、徐々に強くなり始める。

■ 大バーディ合戦

今大会は例年、大バーディ合戦となる。プロアマ競技のためにフェアウウェイを広く、ラフを浅く、グリーンも遅めとコースを易し目にセットしているからだ。これまで5日間90ホールのマラソントーナメントとして開催されてきたが、昨年から4日間72ホールのストロークプレーに短縮された。それでも昨年優勝したマーク・ウイルソンのスコアは24アンダー。1ラウンド平均、6アンダーの勝負となる。ちなみに昨年は20アンダーを上回るスコアを出した選手が7人もでた。石川がいきなりこの大バーディ合戦についていけるかにも注目が集まる。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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