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2011年 フライズ・ドットコム・オープン
期間:10/06〜10/09 場所:コルデバレーGC(カリフォルニア州)

佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第十五回】

WGCブリヂストンインビテーショナルで4位タイと大健闘を見せた石川遼選手ですが、惜しくも優勝を逃してしまいました。その際のインタビューで「9勝と10勝には大きな差がある」と話していたのが印象的でした。勝てば勝つほど、1勝を得ることが難しくなるのでしょうか?

勝てば勝つほど、難しくなるというものでもないような気がします。私の認識では、まず初優勝がとても難しいと思います。パッと出てきて初優勝を挙げてしまうような選手の中でも、そのあと続いて勝っていく選手と、1回の優勝で終わってしまう選手、大きく分けて2パターンでしょうか。初優勝をすると2勝目の壁がある。遼くんが言っているのは恐らく2桁優勝のことだと思いますが、この2桁優勝には確かに大きな壁があるように思います。スコアに例えると分かりやすいと思いますが、まずは100の壁があって、それをクリアすると今度は90の壁があります。そうすると次はアマチュアゴルファーの最終目標になるのかな、80の壁が出現します。「79」というスコアと「80」というスコアは1打であっても大きな違いがありますよね。それまでは「79」でホールアウトできそうなペースで来ていたとしても、最後にボギーをたたいて「80」ということだってよくあります。そのような感覚と一緒で、9勝まで挙げている選手は多くいるけど、2桁優勝となるとガクンと減りますね。過去に名プレーヤーとして名が残る選手は多く勝っています。なので、石川遼選手が10勝の壁にこだわる気持ちも分かりますし、それに対してのプレッシャーがあるというのも理解できます。それだけ自分に対して高いハードルを課したということは向上心や、やる気を感じますね。なので、そう思うこと自体とてもいいことだと思います。ただ過度にプレッシャーを感じて達成できないというのはいけませんが、そう思いながらも、乗り越えていく姿は素晴らしいと思いますね。

(上位争いを演じるも、最後の最後で優勝を逃すというのが多いように感じますが・・・。)10勝目が見えてきたからと言って、プレッシャーで崩れて負けてしまっているのではないので、あれはプレーに対する自分の力だと思いますし、遼くんにとっては、乗り越えなければならない試練、壁ですね。誰しもリードしたから、良い終盤を迎えたからと言って100%勝てる訳ではありません。例えばジャック・ニクラウスも、優勝回数以上に2位フィニッシュがある・・・それだけ負けているということなんです。あれだけの選手でも負けることがあるのですから、勝つことは本当に難しい。例えばトーナメントで、最終日トップで迎えた人が優勝する勝率は実際に5割前後と分析されています。相手、コース、気象条件、環境、体調・・・などさまざまな要素が関わってきますしね。あとは負けたときの考え方、気持ちの持ち方も大切なんだと思いますよ。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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