松山英樹の世界選抜は26年ぶり勝利なるか 米国選抜が9連勝中
2024年 プレジデンツカップ
期間:09/26〜09/29 場所:ロイヤルモントリオールGC(カナダ)
世界選抜唯一の勝利を引き寄せた丸山茂樹 副主将として米国選抜に再挑戦
2年に一度の対抗戦「プレジデンツカップ」は26日に開幕する。松山英樹ら世界選抜はマイク・ウィア主将の母国、カナダで米国選抜を迎えた。チームには今夏、丸山茂樹が副キャプテンの一人として急きょ合流。PGAツアーのオリジナルコラムでChuah Choo Chiang氏が期待を寄せた。
26年前、オーストラリアのメルボルンで行われた「プレジデンツカップ」にデビューした丸山茂樹は米国選抜を相手に5勝0分け0敗という完ぺきなパフォーマンスを披露した。その1998年は世界選抜がこれまでの大会史で唯一の勝利を挙げた試合だ。全盛期にあったタイガー・ウッズを擁した相手を20.5―11.5で退ける圧勝。PGAツアー通算3勝、現在54歳の丸山は予想外のスターとして頭角を現した。
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丸山は当時を振り返り「あの頃、僕はまだチームのルーキー。アメリカの選手は全員スーパースターだった。だから、負けたって仕方がないと思って、試合を恐れなかった」と語る。現役時代に名付けられた愛称は“笑顔の暗殺者”。「内心、相手を倒せるチャンスをうかがっていた」のもウソではない。
98年大会で世界選抜の主将は故ピーター・トムソン(オーストラリア)が務めた。丸山は大会期間中、キャプテンが選手たちをずっとリラックスさせてくれたことを回想し、それこそが勝利のカギだったと思い起こす。そして今週、丸山はウィアをサポートする5人の副キャプテンのうちのひとりを務める。大きな仕事の一つは松山の気持ちを落ち着かせることだろう。
「彼(トムソン)はチームの雰囲気を良くしたいと考えていた。だから僕もチーム内で明るく振る舞って、真面目になりすぎるのではなく、みんなを元気づけようと思っていた。ピーターに影響された。チームを鼓舞しようと、僕もたくさん笑って、叫んでいましたよ」
だからこそ、丸山は自身が大会史上、他に5人(マーク・オメーラ、ウッズ、ジム・フューリック、ブランデン・グレース、ジョーダン・スピース)しか達成していない無傷の5連勝を挙げるとは想像していなかった。
「素晴らしい戦いぶりだったと思ったのは大会が終わってから。試合の週はまったく考えなかった。一生懸命、練習した。週末にチームメートたちが『これで5勝だ!』と言ってくれて、『あれ、そんなに勝った?』と思ったくらい。『スゴイぞ!』と祝福されるまで、良いプレーができたとはそれほど思えませんでした。声をかけられてから、自慢してもいいかなあって。カップを頭に乗せて、喜んで叫んだのを覚えています」
ロイヤルモントリオールでの世界選抜の挑戦。松山にかかる期待と責任は大きい。2024年はPGAツアーで2勝。世界ランキングはチームトップの7位にいる。今夏は丸山が率いた日本代表に初めて男子の銅メダルをもたらした。
「マイク(ウィア)は五輪の英樹はいつもと違うように感じていた。僕は彼の練習中、邪魔にならないよう、明るく楽しい雰囲気でやれるようにと思っていた。笑いあって、楽しい時間を過ごせた。マイクにはあんなに笑っている英樹を見るのは珍しいことだったみたいで、僕の存在が重要だと言ってくれた。だからマイク、そして世界選抜をできる限りサポートしたい」
松山は今回が6回目の出場。通算成績は7勝10敗5分けで、特に直近2大会のシングルスマッチではトニー・フィナウとサム・バーンズを相手に引き分けに甘んじた。2022年大会では「パッティングが悪く、ポイントを追加できなかった。とてもガッカリしている。チームに貢献できなかった」と話した。「2019年は(フィナウに)最後の数ホールまでリードしながら追いつかれた。あと少しで勝てたのに。今でも悔しい気持ちになる」
今大会の世界選抜チームは韓国勢が4人。トム・キム、イム・ソンジェ、アン・ビョンフン、キム・シウーがいる。2022年大会でデビューしたトム・キムは22歳にしてツアー3勝。アンは2回目、イムとキム・シウーも3回目の出場を果たす。経験豊富なアジア勢は一大勢力。世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー、今季メジャー2勝のザンダー・シャウフェレが率いる米国に挑む。