松山英樹10年連続、ローズ4年ぶり最終戦への最低条件は?
2023年 BMW選手権
期間:08/17〜08/20 場所:オリンピアフィールズCC(イリノイ州)
飛距離よりも優先すべきは? クリス・カークが新アイアンに求めたもの
PGAツアーのレベルになると、新しいアイアンへの変更は必ずしも飛距離アップが狙いではない。ツアーの選手たちは、練習レンジやゴルフコースで狙い通りの距離を打つため血のにじむような修練を重ねており、番手間のギャップが適切な距離になるようアイアンをセットアップしている。
PGAツアー5勝のクリス・カークが最近行ったキャロウェイ「APEX MBブレードアイアン」(2018年)から新作のキャロウェイ「APEX CBアイアン」(2023年)への変更の理由も、飛距離ではなかった。少なくとも、そこにフェアウェイからの飛距離は関係していない。
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アイアンの試打に関して、大半のアマチュアゴルファーは練習レンジでボールを平らなライに置いて行うか、インドアのマットの上で行う。それ自体に問題があるわけではなく、平らなライではショットごとの一貫性が保たれるため、不確定要素を除外することができる。しかし、ゴルフは絶えず変化するコンディションの中でプレーするわけであり、プロでさえ毎回フェアウェイを捉えられるわけではない。
カークによると、フェアウェイから打つ場合、これまで使用していたAPEXブレードと、新しいAPEX CBの飛距離にそこまで差はないとのこと。しかし、ラフからのショットとなると、話は変わってくる。
カークが「BMW選手権」を前にした火曜日の説明によると、彼はかねてラフからアイアンでショットをする際、正しいヤーデージを打つことに苦心していた。ミスヒット、またはあまりに弾道が低過ぎることで距離が出ず、グリーンをショートしていたのである。
カークはキャロウェイの新しいアイアンについて、「先週(フェデックスセントジュード選手権)は、僕がこれをバッグに入れた最初の週だったんだ。数カ月前から自宅にはあって、テスティングは行っていた。実戦投入した主な理由は、ラフからの一貫性にあると言えるね」と述べた。
「これまで使っていたブレードアイアンは、ラフからの初速が遅かったんだ。330yd飛ばせれば、それでも良いのかもしれない。でも、例えばグリーンズボロ(ウィンダム選手権)みたいに(ラフから)残り160ydを8番アイアンで打ってショートするようなことが何度もあった。初速が遅かったんだ。時にはフライヤーもあった。でも、これ(新アイアン)はラフからのショットがかなり一貫している。こちらの方が、少し初速が速いね」
カークは大半のゴルファーとは違い、実際にラフからの試打で前のアイアンと比較することで、APEX CBの方が自分に適していることを見抜いた。
「僕は練習レンジの端っこ(ラフの部分)へ行って、トラックマンを使ってショットを計測するんだ。そして、ゴルフコースでは、より感覚的なものに基づいたテストをする。練習レンジでは、ボール初速やスピン量の違いを見極めることができる。今週はラフが深くて密集しているので、これだと溝を使ってよりボールを捉えることができるんだ」
トラックマンのデータと練習レンジの端にある長めの芝を併用することで、カークは前のブレードアイアンよりも、新しいアイアンの方が意図したターゲットの数値をより頻繁に打てることを確認したのである。
これに加え、カークは新しいアイアンの方が5フィート(約1.5m)ほどショットごとの弾道が高く、低くなりがちだった弾道が高くなった。ラフからより簡単にグリーンを捉えられ、キャリー後に早めにボールを止められるようになったという。
カークはアイアンのデザインに関して、特に新しいソール設計を気に入った点について触れ、2018年モデルからの移行は容易だったと語っている。GolfWRX.comに対し、「(新しいアイアンの)ソールは最高だね。リーディングエッジがあらかじめ使い込まれたような感じになっていて、とても気に入っている。バウンスもたっぷりある。僕はハイバウンスのアイアンが好きなんだ」と述べた。
「それ以外では、フェアウェイからのショットとなると、これまで使っていたクラブとかなり似通っているね。弾道が5フィートほど高くなったけれど、僕は超高弾道ヒッターではないので、これは大助かりだね。わずかであれ、自分の持ち球が幾分高めに上がるのは良いものだよ。ただそれも、僕が調整するのに時間を要するほどの差ではないんだ」
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)