今季絶好調、勢いが止まらない25歳のシェフラー（写真は2022年「マスターズ」）

25歳のスコッティ・シェフラーはこの3カ月でキャリア一生分ともいえる成功を築き上げた。直近7大会で「マスターズ」制覇を含む4勝を挙げ、フェデックスカップと世界ゴルフランキングで頂点に上り詰めた。フェデックスカップは2位に1000ポイント以上リード、世界ランクも大差の1位に君臨し、この間、1000万ドル以上の賞金を稼いだのである。

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PGAツアーで2勝を挙げた後、テーラーメイドと契約したシェフラーにとってこの数カ月は波乱万丈だった。

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人生を一変させたオーガスタナショナルでの勝利を経て、しばしの休息を楽しんだシェフラーは自宅で、メレディス夫人と寛ぎ、最近の成功について振り返った。

ニューオリンズでの「チューリッヒクラシック」までの一週間の休暇期間、GolfWRX.comはポッドキャストの「Two Guys Talkin’ Golf （TG2）」でシェフラーにギア、テーラーメイドとの契約、マスターズでの勝利、そしてメジャー初制覇後の最初の大きな買い物について、話を聞いた。

そのQ&Aを紹介する（簡潔にするため、若干編集したことをお断りしておく）。

◆テーラーメイドとの契約

シェフラーのドライバー（提供：GolfWRX)

GolfWRX.com：マスターズ優勝おめでとう。素晴らしい勝利でした。我々GolfWRXは誰もがギアマニアなので、最初はギアについて聞かせてもらいます。あなたは今年素晴らしいスタートを切り、調子も最高で、その後テーラーメイドと契約したわけですが、テーラーメイドのチームの仲間入りをしたいと思った理由とは？

シェフラー：いくつか理由があった。軽々しく決めるような決断ではなかったね。何よりもまず、ドライバーが決め手だったというべきかな。アイアン（テーラーメイドP7TW）は、しばらく前から使っていたからね。アイアンは気に入っているよ。ただ、ドライバー（テーラーメイド ステルスプラス）に関しては、冬の間のテスティングで、かなりの飛距離アップが見られたんだ。このドライバーを使うことは間違いないし、アイアンもこのまま使うことになるのだから、何か上手い具合に折り合いをつけられないかなと思った。あのブランドを一貫して使っているので、もちろん、僕は彼らのやっていることを信頼しているよ。ファミリーの一員、チームの一員になれたのは僕にとってクールなことだった。だから、彼らとの契約が実現して良かった。満足しているよ。

GolfWRX.com：それに関していえば、あなたはナイキVPプロリミテッドのフェアウェイウッドを長いことバッグに入れていました。テーラーメイドのチームは、あのVRプロをバッグから取り出し、テーラーメイド ステルスに入れ替える上で、どのようなことをしたのでしょうか？

シェフラー： いくつかのことをした。ひとつ悩んでいたのは、実際のところ3番ウッドが飛び過ぎていたことで、狙い通りのショットが打てていなかったんだ。彼らは（フジクラのVENTUS）シャフトに何かをしたんだ。正直言って、それが何だったか、覚えてさえいないのだけど、何かティッピング（シャフトを短くする）に関することだったね。何インチか短くして、ヘッド周りのウェートを動かし、ロフトの大きなヘッドを使い、それを立てるようにしたんだ。エイドリアン（リートベルド、テーラーメイドのツアー担当シニアマネジャー）やスタッフたちは、ありとあらゆることをする。 “OK、これで何度かティショットを打ってみて、その上でバッグに入れ、これで何ができるか見てみよう”みたいな感じで作業をするには、オースティン（テキサス州）は、とても良いエリアなんだ。クラブの移行はとてもシームレスだった。自分の打ちたかった弾道が見られるようになった。ミスヒットも、ナイキの時よりテーラーメイドの方が、精度が高いね。すでに、顕著な向上を目の当たりにしているよ。

◆グリーンジャケット

グリーンジャケット

GolfWRX.com: あなたは25歳で、信じられない年を送っています。自分では、ここからどこまで行けそうだと感じていますか？

シェフラー： 将来のことはまだそこまで見据えていない。だから、今は自宅でゆっくり休んでいる。ここ数週間は、感情的にかなり消耗したから。マスターズはメジャーだったので、特にそうだった。でも、（WGCデルテクノロジーズ・マッチプレーが開催された）オースティンでも期待はかなり高かったし、場所が場所だけに、あれは自分にとっては特別で、本当に勝ちたいと思っていた大会だった。

今は感情的に疲れ切った状態。だから、自宅で寛いで、休息を取り、家事をこなして、通常の暮らしをしている。これまでのところ最高だね。ここから先のことについては、とにかく今自分のしていることをやり続けようと思う。フェデックスカップで良い位置につけているしね。まだ、メジャー初制覇を果たしたところだけど、今後も今までやってきたことを続けるだけ。ハードワークをして、ジムでのトレーニングを続け、向上し続けようと努力するだけさ。僕のゴールや、そうしたことは変わることがない。

GolfWRX.com: これからの一年間で、どれくらいグリーンジャケットを着ることになるのでしょうか？

シェフラー： 面白いもので、この前の晩も着てみた。メレディス（夫人）と僕は、何をするともなく座って、デザートを食べている時、僕は別の部屋に行ってグリーンジャケットを着て戻って、ジャケットを着たままアイスクリームを食べんた。ジョークみたいな感じで。自宅ではジャケットと楽しい時間を過ごしているよ。

でも、そこまで多くは着ないかな。これは僕が自分のゴルフ部屋に取っておけるクールな物だからね。クラブをきちんと代表したいから、特定の特別な機会でのみ着ることにするよ。

◆大きな買い物

シェフラーのアイアン(提供：GolfWRX)

GolfWRX.com: 休養の間、あなたは何をするのでしょうか？次にティアップするまで、どのようにリラックスする予定ですか？

シェフラー： 自宅には小さな裏庭があるんだけど、昨日、ホームセンターに行って、プールを掃除するための用具を買って来た。それと、裏庭のバーベキューエリアをきれいにし直していて、いつも家の周辺のことについて手助けしてくれる人に、落ち葉をきれいに掃除するにはどうすれば良いか聞いたところ、“落ち葉用掃除機を買うべきだ”って言われたんだ。今、僕は落ち葉掃除機の準備にかかりきりなんだ。今はちょっと一息入れて、庭掃除をして、泳ぎに行こうかと。特に何をするわけでもない。

GolfWRX.com:：少しクラブの話に戻りますが、あなたはタイガー・ウッズのアイアンであるP7TWを使っています。ただし、テーラーメイドはP7MBアイアンも製造しています。例えば、P730やP7MBではなく、TWを使用しているのはなぜですか？タイガーの影響？それもと、パフォーマンスの違いでしょうか？

シェフラー： あれを試打した理由は、タイガーの影響だったといえると思う。僕は長年P730を使っていたのだけど、2020年のマスターズでタイガーと一緒にプレーした時に、彼があのアイアンを使うのを見た。彼はあのアイアンでかなりソリッドなショットを打ち、素晴らしい弾道で、ボールを自由自在に操っていた。その時、ひらめいたんだ。“僕は、彼がナイキのアイアンの開発に携わっていた頃に、ナイキのクラブを長年使っていたじゃないか。少なくとも、彼の新しいアイアンをテーラーメイドとともにテストしてみない手はないぞ。あれは彼のアイアンだし、アイアンの開発と製造の段階で、彼の影響を受けているのは明らかじゃないか”と。

オフシーズンに自宅へ帰り、テストしてみたところ、あのアイアンで、これまでより思い通りのショットを打てるようになった。低く打ち出したいとき、あるいは風に向かって打つとき、弾道を抑えて打つことができるようになった。それに、より高い弾道を打ちたいときも、それが可能になった。ボールを操ることにかけて、あのアイアンはP730よりも、さらにバラエティ豊かだった。大きな違いがあったわけではないけれど、時速20マイル（8.94m／秒）の風が正面から吹き付けている状況などでは低く打ち出したいからね。より低めの弾道で安定感も増した。わずか数ヤードの違いだけど、僕にとってはかなり大きな違いに感じられた。

◆チャンピオンズディナー

GolfWRX.com: あなたは、文字通り、全てのゴルファーが夢見ることを達成しました。今どういう気持ちでいるのか、とても興味があります。世界ナンバーワンになり、初めてグリーンジャケットを着ました。あなたが感じているであろうことを、感じたいと欲している全てのゴルファーのために、その気持ちを言葉にすることはできますか？

シェフラー： そうだね。18番を歩いて上がるのはとても特別だった。日曜は長い一日で、かなり辛抱したから。テディ（キャディのテッド・スコット氏）と僕はとにかく18番を歩いて上がることをエンジョイしたよ。ただ、今の気持ちとなると、まだ実感は湧いていない。とても疲れている。ただ単に、家で寛いで、この瞬間を楽しんでいる。メレディス（夫人）はいつも、初優勝したらどうやって祝いたいか僕に聞いていたのだけど、一番好きなのは、家へ帰って通常の生活を送ること。本当に、僕らは家でのんびりしながら、ここ数日のことを思い返して、実感が湧くようにしているところなんだ。

GolfWRX.com: 昔に戻って10歳の頃の自分に、人生やゴルフのキャリアについてアドバイスできるとしたら、どのような言葉をかけますか？

シェフラー： たぶん10歳の自分には、自分自身についてあまりシリアスに考えすぎるなと言うかな。人はその時々でしている事を積み上げていくわけで、僕の周りにはそれを助けてくれる素晴らしいサポート体制があった。でも子供にとって、スポーツはとても重要なことだからね。だから、自分には、自分のことをシリアスに考えすぎず、悪い出来事も起こるということを理解しておけ、と言いたい。完璧なゲームや完璧な技術なんてないからね。とにかく楽しんで、と。

GolfWRX.com: もっともな話です。来年の（マスターズの）チャンピオンズディナーについて、何か考えはありますか？

シェフラー： 僕はテキサス州出身だから、皆、僕のメニューの90%は予想できるのではないかと思っているよ。肉とジャガイモ派なんだ。あそこに集う皆さんに、肉とジャガイモを楽しんで頂ければと思っている。そうでなければ、おなかをすかせてしまうよ。

（協力／GolfWRX、PGATOUR.com）