松山英樹が1W投入 「スリクソン ZXシリーズ」10月発売
新シーズンのギア5大ストーリー
2020/09/15 09:05
「セーフウェイオープン」で2020-2021年シーズンが幕を開けたPGAツアーの現場では、タイトリストTSi2及びTSi3ドライバーのような、新製品の芽吹きが散見される。これに伴い、ギアマニアたちは、2021年初頭の新製品発売へ向け、地平を見渡している。それを念頭に、今回は今後留意すべき新製品に関する5つのストーリーを紹介しよう。
テーラーメイド P770アイアン
テーラーメイド はSIMメタルウッドシリーズの成功に加え、ツアーにおいてもダスティン・ジョンソン(3勝、FedExカップ王者)、ジョン・ラーム(2勝)、そして「全米プロゴルフ選手権」王者のコリン・モリカワが成功を収めるなど、大きな一年を送った。
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最近リリースされた新Pシリーズアイアンの登場により、その勢いは持続することになりそうだが、その中でもとりわけ今後の目玉となりそうなのがP770アイアンである。
この中空ボディのアスリートモデルは、マニアに人気のP790シリーズ寄りの兄弟モデルであるが、このモデル固有の長所を持っているだけでなく、他社がこれに比肩する製品を生み出すレベルを一段押し上げることとなった。
ここで鍵となる要素はスピンであり、これが中空ボディのカテゴリーに属するアイアンにとって不利な要素であることは明白だ。
PXG Gen 3P、P790、そしてコブラ フォージドテックといった人気モデルは、いずれも高打ち出し角、高初速を売りにしているが、これらは打ち出し角と弾道の高さでスピン量不足を補うことで、理想的な数値を実現している。これは多くのプレーヤーにとって、良い考えであると言える。しかし、ボール初速と寛容性に加え、究極の操作性を求めるプレーヤーにとってはどうだろう?ここでP770の出番である。
P770は競合モデルに比べてスピン量が大幅に多く、その上、他モデルに比べ、飛距離で引けを取らない。結局、これはどういうことなのか?基本的に、これはハンディ10前後から幅広い上級者向けの新興アイアンモデルと言える。ゴルフ用具製造会社が、寛容性、飛距離、そして高い操作性を兼ね備えることができた場合、その製品は頭一つ抜きん出た存在となるものである。
タイトリストTSiメタルウッド
シーズン初戦の「セーフウェイオープン」ではタイトリストの新しいTSiメタルウッドがデビューを飾ったが、外見を一瞥する限り、タイトリストの開発部門はこの新製品でこれまでのやり方を一新した。ドライバーは過去に例を見ないほど競争の激しいカテゴリーとなっており、タイトリストはTシリーズに対し、今回は新たな方向性を示したようである。
クラブのテクノロジーはいまだ明かされていないが、タイトリスト契約選手によるテスト段階の情報によると、ボール初速が桁外れに上がったようである。さらに、このドライバーは見た目もすこぶる良い。
来年は、タイトリストがドライバーで勢力を二分するテーラーメイドとキャロウェイの間に割って入ると年となるのだろうか?
しばらくは成り行きを見守りたい。
スリクソン新アイアン
北米でクラブフィッターに最も人気のアイアンは何かと問えば、スリクソンという答えが返ってくることが多い。カリフォルニア州ハンティントンビーチに本拠地を置く同社は、市場シェアで同業他社を圧倒する勢力とはなっていないが、スリクソンのアイアンはこれまで人後に落ちない品質とパフォーマンスを誇ってきた。
新ZX7シリーズは、まずオザークナショナルで開催されたチャールズシュワブシリーズPGAツアーチャンピオンズの大会でテストされた。この際、忠実な契約選手であるアーニー・エルスとデビッド・トムズが即座に実戦投入している。
テクノロジーに関する詳細は近日中に発表されるが、ZX7はシリアスなスリクソンユーザーを満足させつつ、飛距離を求めつつまだ次期使用クラブの決まっていないゴルファーをも振り向かせそうである。
2021年のアイアン市場は、テーラーメイド、ミズノ、そしてもちろんスリクソンの全てが新たにアスリートモデルを投入することになるため、競争はかなり激化することになるだろう。
ピンG425メタルウッド
ピンの新G425メタルウッドについて、知られていることはほとんどない。これまで常にそうであったように、ピンの情報統制はCIA並みの精度である。我々が知っているのは、ピンはG400とG410シリーズにより、ここ数年大成功を収めてきたということである。
ここでの主題は安定性である。ピンのドライバーは通常、市場で最もホットなクラブにはならないが、寛容性と方向のばらつきの少なさという点では、同社のクラブはほぼ毎回リストのトップに君臨している。ゴルファーのほとんどは、初速を切望するが、実際に必要なのは安定性である。
すでに特上レベルの製品を世に出しているピンが、どれだけそれをしのぐ物を出せるのか、興味深いところである。同社は良い流れに乗っており、過去3、4年が今後の方向性を示唆しているとしたら、G425も再びナンバーワン候補の一角となるだろう。
消費者の需要vs.在庫量
新型コロナウイルスの感染拡大は、世界のあらゆる物事に影響を与えたが、ゴルフ産業は、実際のところそこまで影響を受けておらず、ポジティブな影響も一つあった。
全体的にゴルフ人気が急上昇したのである。ゴルフは屋外にて、互いの距離を取りつつ、友人たちと社交の時間をシェアしながらプレーできるスポーツである。我々が市場に出る新製品をリサーチし、称賛するのに十分過ぎるほどの時間を得るなか、ゴルファーの多くはオンラインストアでゴルフ用品を購入するようになった。このシナリオは、ロックダウン期間中とその後を通じ、各ブランドの売上げにとって驚くべき効果をもたらしたが、そこには一つ問題があった。海外からの流通ルートはいまだにか細く、供給にボトルネックができてしまったのである。シンプルに言い換えれば、今日あなたの注文したクラブがあなたのバッグに収まるのは、数週間、あるいは数カ月先になるかもしれないのである。
複数のブランドは、パンデミック期間中に記録的な売上げを計上した。路面店は閉まっていたが、インターネットが実際の店舗での損失の大部分を賄ったのである。旧モデルと現行製品は、新製品、特に需要の高い製品と比べ、問題とはならなかった。
最終的に事態は収拾するであろうし、現在新しいクラブを待っている人々にはフラストレーションが溜まるであろうが、これはゴルフが健在かつ良好である証左なのである。それが何よりも重要なことであろう。
(協力/ GolfWRX、PGATOUR.com)