「ウェルズファーゴ選手権」アラカルト
By Jeff Shain, PGATOUR.COM
5月1日から4日まで行なわれる「ウェルズファーゴ選手権」のコース詳細やこれまでの歴史、昨年の模様などをまとめてご紹介。
コース:
クエイルホロークラブは7,442ヤードのパー72。ジョージ・コブが設計したコースは、1962年の開業から瞬く間にビッグイベントの開催にふさわしいものとなった。クエイルホローではもともと「ケンパー・オープン」(1969年~79年)が開催され、その後「ワールドシニアインビテーショナル」(1980年~89年)も行なわれていた。それからトム・ファジオがグリーンのリニューアルとヤーデージの延長に着手。2003年には再びPGAツアーが開催されるようになった。クエイルホローは2017年に「全米プロゴルフ選手権」の会場として、メジャー大会の開催地の仲間入りを果たす予定。“グリーンマイル”と呼ばれる上がり3ホールは、PGAツアーでも指折りの難関コースとされている。
フェデックスカップ:
優勝者は500ポイントを獲得する。
チャリティ:
大学卒業生が2年間、市内や田舎の公立学校で教鞭をとるのをサポートするNPO支部「ティーチ・フォー・アメリカ・シャーロット」に分配される。シャーロット都市部では同団体出身の200名以上が40の公立学校で働いている。
出場選手:
ゴルフ殿堂入りしているフィル・ミケルソン(世界ランク9位)に、2010年大会覇者のロリー・マキロイなど、世界ランク上位30位からは10名が出場選手リストに名を連ねている。さらにディフェンディングチャンピオンのデレク・アーンストに、全米オープン覇者のジャスティン・ローズ、クエイルホロー在住のウェブ・シンプソンも出場。初出場組では、ブレンドン・デ・ヨング、ロバート・カールソン、マーティン・レアード、ジョンソン・ワグナーの4名がシャーロット在住だ。ミケルソン同様ゴルフ殿堂入りを果たしたアーニー・エルスは2007年以来の出場となるが、まだトップ30位以内の成績を残していない。出場者リストにはほかにも、デービス・ラブIII、チャールズ・ハウエルIII、ビリー・ハーレーIII、そしてスポンサー推薦枠で出場するハロルド・ヴァーナーIIIと、4名の“3世”がいる。
72ホールの記録:
272ストローク(アンソニー・キム、2008年)
18ホールの記録:
62ストローク(ロリー・マキロイ、2010年大会第最終ラウンド)
2013年:
アーンストは72ホール目のバーディでプレーオフにコマを進め、プレーオフ1ホール目でパーセーブに成功。イングランドのデビッド・リンを破って見事PGAツアー初勝利を飾った。フィル・ミケルソンは寒さと雨の中、残り3ホールの時点で1打差の首位としていたが、16、17番とボギーを叩いてしまい後退。アーンストは18番で、6番アイアンを使いピンそば1メートル強に寄せてバーディを奪い、2アンダー「70」でホールアウト。約4メートル半のパットを沈めたリンが2位となった。シャーロットの地にやって来る前のアーンストは、2013年シーズンの8試合のうち6試合で予選落ちを喫し、最高のフィニッシュは47位だった。
筋書き:
先日の「マスターズ」で1997年以来の予選落ちを喫してから、今大会が最初の試合となるミケルソン。クエイルホローでの優勝経験はないが、レフティの彼はこれまでの10回の出場のうち、2010年のマキロイに次ぐ2位を含む7度のトップ10入りを果たしている。過去の優勝者6名も出場予定で、昨年大会の覇者アーンストには11年間の大会史上初の複数回の勝者となるチャンスもある。2010年大会の勝者で、その2年後の大会では3名でのプレーオフでリッキー・ファウラーに敗れたマキロイも有力候補だ。クエイルホローのクラブハウスから1マイル(約1.6キロメートル)のところに居を構えるシンプソンもまた、地元での勝利を狙う。彼は2年前の大会3日目の終了時点で首位に立っていたが、最終日に「73」をマークし、1打差でプレーオフに進めなかった。
その他:
クエイルホロークラブでの直近の優勝者6名のうち4名は、24歳以下で偉業を成し遂げた。2010年大会覇者マキロイは20歳、08年のアンソニー・キムと昨年の覇者アーンストは共に22歳、そして12年のリッキー・ファウラーは23歳でそれぞれPGAツアー初勝利を挙げた。だが、ここ4年のディフェンディングチャンピオンが優勝から1年後の大会で決勝ラウンドに残ることはなかった。ファウラーは昨年大会の3日目にMDF(最終日の出場選手制限)に引っかかり、その前の3名の覇者は予選を通過できなかった。直前の棄権がなければ、スチュアート・アップルビー、J.J.ヘンリー、チャールズ・ハウエルIII、そしてロリー・サバティーニの4名のプレーヤーはクエイルホローでの初日を迎える。