最後のファイヤーストーン 松山英樹が連覇を狙う
2018年 WGCブリヂストン招待
期間:08/02〜08/05 場所:ファイヤーストーンCC(サウス)(オハイオ州)
忘れられないウッズの弾道 小平智のファイヤーストーンの記憶
◇世界選手権シリーズ◇WGCブリヂストン招待 事前情報(31日)◇ファイヤーストーンCC(オハイオ州)◇7400yd(パー70)
松山英樹は2013年大会で、キャリアで初めてタイガー・ウッズと同組でプレーし、目の前で「61」のプレーを見せつけられた。そして努力を重ねて迎えた17年、松山は最終日にそのコースレコードに並ぶスコアをたたき出して逆転優勝。ストーリーを作り上げた。ただ13年当時、この場所でウッズの姿に心を打たれたのは彼だけではない。小平智もまたそうだった。
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小平は当時、日本ツアーで初勝利を飾ってこのWGCに初出場。ロッカールームでウッズと写真を撮ってもらい興奮した。ただ「すごい衝撃を受けた」と振り返るのは、まさに松山とプレーをする姿だった。1番ティで鋭いスティンガーショットを打ったウッズの弾道がいまも忘れられないという。「僕はクラブハウスのところの時計台の下で見ていたんです。ものすごく低く出て、戦闘機みたいに途中でグワーっと浮き上がった」。小さい頃からの憧れの存在は、本当にスーパースターだった。
当時の小平の結果は4日間で通算13オーバーをたたき、73人中65位タイだった。「おれはどこまでオーバーパーを打つんだろう…と思った」という。その4年後、2回目の出場となった昨年は通算5オーバーの47位タイでフィニッシュ。目標としていたアンダーパーをマークすることはできなかったが、「初めて回った時よりも難しく感じなくなった。成長している」と思えた。
3回目の出場となる今年は、日本人史上5人目のPGAツアー優勝者として大会を迎える。31日(火)にはアウト9ホールで練習ラウンドを行い「世界で回った中で一番おもしろいコースだと思う」と改めて実感した。「めちゃくちゃ戦略性が高い。例えば日本では(難しい)ティショットがクリアできたら、次のショットは楽になることが多い。でもこのコースはそれがない。16番(パー5)もそう。ティショットも、セカンドも、サードもクリアしないといけない」
大会は来年度から「WGCフェデックス セントジュード招待」となり、会場をテネシー州TPCサウスウィンドに変更。「さびしいですけど、最後の時に出られたのはうれしい」と強く意気込む。「英樹が優勝してくれて、このコースも日本人が勝てるんだと証明してくれた。すごくいいお手本を見た。(コースレコードの)「61」のイメージはわかないけれど、「64」、「65」とかなら、ハマれば出るかも…というイメージもできてきた」。成長のバロメーターにしてきた試合を、納得いく形で締めくくりたい。(オハイオ州アクロン/桂川洋一)