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松山英樹は粘りのパープレー 同組ウッズの飛距離に「人間じゃない」

◇米国男子(ツアー外競技)◇ヒーローワールドチャレンジ 3日目(2日)◇アルバニーGC(バハマ)◇7302yd(パー72)

松山英樹は、強風の中を「72」でまとめ、前日の通算7アンダー5位タイをキープした。約9カ月ぶりの復帰戦で、同組でプレーしたタイガー・ウッズは「75」とした一方で、バーディとボギーが6つずつという出入りの激しいラウンドを耐え抜いた。

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今月30日で42歳。どれだけ低迷が続いても、ウッズは松山にとって幼い頃からの憧れの人。2015年8月の「ウィンダム選手権」以来、2年ぶりの同組に「僕は変わらない。いつ(一緒に)回っても緊張する。あれだけ雰囲気がある選手ですから」と、スタートから独特の緊張感があったことを素直に認めた。3日間で一番強くなった風にも翻弄され、「長らく風の中でプレーしていなかったのもある。距離感も、横の幅もうまく調整できなかった」。前半は1Wショットを左に曲げた3番(パー5)から3連続ボギーをたたいた。

必死の挽回が始まったのはその直後。6番(パー5)で第3打をピンそば80cmにつけて“お先”のバーディを決めた。その瞬間、大ギャラリーの視線はグリーン周りで苦しむウッズに注がれ、拍手がなかったことに苦笑いしたが、淡々。左サイドの砂地からピンそば1.5mにつけた後半13番から3連続バーディを決めた。7mを沈めた17番(パー3)で、スタート時のスコアに戻した。

ウッズは小技に苦しみ、10番までに5ボギーと低迷。その様子に「自分がもっといいプレーをして、バーディを先にいっぱい取っていれば、もうちょっとタイガーもいいプレーができたのかな」と、同伴競技者が強く責任を感じてしまうのも、相手がウッズだから。

松山はプレー中の談笑で、「ダンロップフェニックスには出た? あそこは木がいっぱいだよね」と聞かれたという。後半のティグラウンドでは、おもむろに黒いキャディバッグの中のクラブを手に取って眺める場面も。「勝手に触りました。許可なく。初めて触った。怒られなかった? 見てないところで触りました」と華麗な手口で観察にも成功した。

スコアでは“勝った”とはいえ、ダスティン・ジョンソンらトッププロがすでに舌を巻いていたように、松山もウッズの飛距離に驚嘆。15yd以上置いて行かれることもあった。「腰を4回、ひざも何回も手術している人じゃない。人間じゃない…。スイングはまだ調整している段階だと思うけれど、2年前に回ったときより、距離も安定していたなという感じがしました」という。アプローチのミスが続いても、安全策を取らず、きわどいエリアをターゲットにするプレーの連続にも「17番(パー3)でも良いバーディパットを見せてもらった。悪い中でも、ミスをしても、ギリギリをあれだけ狙うのはなかなかできない」と感心した。

小さいころから夢見てきた時間を経て、あすは2017年最後のラウンドになる。首位のチャーリー・ホフマンには7打差だが、以下は混戦。2位までは2打差だ。「粘れたのは良かった。こういうゴルフを続けていければ。バーディも長らくこれだけ取れていなかった」。停滞した他選手のスコアを見て「オレだけじゃないのか。腹を立ててプレーしていたのは…。よかった、よかった」と少々安心。いつものように誰もいないドライビングレンジへと足を向けた。(バハマ・アルバニー/桂川洋一)

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