ジェイソン・デイが号泣 棄権し末期がんの母のもとへ
2017年 マスターズ
期間:04/06〜04/09 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
母の肺がん手術成功 デイは感謝の思いとともにマスターズで戦線復帰
◇メジャー第1戦◇マスターズ 事前情報(4日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7435ヤード(パー72)
母・デニングさんの肺がん手術に立ち会うため、2週前の「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」を途中棄権したジェイソン・デイ(オーストラリア)が、「マスターズ」で戦列に復帰した。手術は3月24日(金)に成功し、デニングさんは回復に向かっているという。
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今年で7回目となる出場を前にしたデイの会見は、周囲への感謝が詰まっていた。今年のはじめ、オーストラリアで余命1年の宣告を受けたデニングさんだったが、愛息が本拠地にしている米オハイオ州の病院で臨んだ手術は無事に終わった。
今後は、化学療法の必要もなく家族はひと安心。マッチプレーを棄権した際の会見で号泣していたデイは「本当に、本当に良かった。心も軽くなった。ここ(記者会見場)にいるみんなだけでなく、回復を祈ってくれたすべての方々に感謝の気持ちを述べたい。スポンサーや多くのファンから、たくさんメッセージやEメールを受け取った」。母の病を公にしてから、がんについての本がデイ宛てに届くこともあった。
家族と離れてオーガスタに入ったのは前週金曜日。「母はあまりしゃべらない女性だからね。ここに来る前にはキスをして『じゃあ、またね』とだけ僕は言ってきた。母が言ったのは『OK, I love you』だけ。きのうも電話で化学療法が必要ないことを伝えたら『あら、いいニュースね』の一言だったよ」。
マスターズで2011年に2位、13年に3位に入ってから、トップ10入りしたのは昨年(10位)だけ。メジャー通算2勝目がかかる中、「正直言って、準備は足りない」という。重要な大会に合わせて1、2週間前には徹底して打ち込むのがデイなりのピークの合わせ方。マッチプレーを棄権してから、約1週間は一度もクラブを握ってこなかった。残り1日、急ピッチで調整を行う。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)