2016年 マスターズ
期間:04/07〜04/10 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
連覇を狙うスピース グリーンジャケットの梱包で闘志
今季のメジャー初戦「マスターズ」が7日(木)、開幕する。ディフェンディングチャンピオンは、大会最少ストローク記録に並ぶ通算18アンダーで制したジョーダン・スピース。その後、アメリカの期待を担って飛躍した世界ランク2位の22歳は、地元紙のヘッドラインを連日飾り、今回も注目度ナンバー1だ。
「部屋の中を見回すばかりだった。見つめるばかりで、多くを話すことはできなかった」
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火曜日(5日)の晩に恒例となっているチャンピオンズディナーに、初めて参加したスピースは開幕前日の6日、緊張の一夜をこう振り返った。ディナー主催者(前年優勝者)として伝説的プレーヤーたちを迎える立場。「素晴らしいディナーだった。特別な晩だったし、その一員として過ごせたことを誇りに思う」と胸をなでおろした。
すべての参加者が、大会優勝者に贈られるあのグリーンジャケットに袖を通している特別な空間――。主催者のスピースがメインディッシュに用意したのは、出身のテキサス名物バーベキューだった。腰の故障で大会出場を見送ったタイガー・ウッズもディナーに参加。「素晴らしい料理だった。ジョーダンは信じられない仕事をした」と自身のTwitterで絶賛した。
実は、ディナー参加者の中でただ一人スピースだけは、今大会でグリーンジャケットを持参することを忘れないようにしなければならなかった。グリーンジャケットは、優勝から一年間だけ自宅に持ち帰っていつでも自由に着用することができるが、翌年の大会ではオーガスタへ返却する必要がある。返却されたジャケットは同クラブで保管され、コースを訪れた際に、その敷地内でのみ着用が許される仕組みだ。
「このジャケットを、もう家に持って帰ることはできないのかもしれない、ということを考えると、少し闘志に火が付いた」。自宅でジャケットの梱包中にそう思ったというスピース。「ジャケットだけでモチベーションになるなんてすごい。でも同時に、これを再び持ち帰ることは簡単なことではない」と、あすに迫ったティオフを見据えた。
今年は自身3度目となる「マスターズ」。スピースは2001年、2002年のウッズ以来となる連覇に挑む。「プレッシャーはある。でも自信もある」と注目の中で改めて気合いを込めた。(ジョージア州オーガスタ/今岡涼太)