レフティ細野勇策はなぜシャフトを軟らかくした? 年間タイトル2冠へ導いた「高さ」の変化
◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 最終日(18日)◇タラオCC西C (滋賀)◇7411yd(パー70)◇晴れ(観衆3177人)
14本のラインアップは、5月「日本プロ選手権」から変わっていない。ただ、その中身には変化があった。
レフティの細野勇策が通算13アンダーで逃げ切り、ゴルファー日本一の称号をつかんだ。最終日は1打差首位から5バーディ、5ボギー「70」にまとめ、ツアー初優勝を飾った「日本プロ」に続く今季2勝目。伝統を誇る2大会を同一年に制したのは、1973年のツアー制施行後では尾崎将司(1974、89年)、村上隆(75年)、尾崎直道(99年)、片山晋呉(2008年)に続く5人目の快挙となった。
勝利を支えた14本のうち、変化があったのはフェアウェイウッドのシャフトの硬さとアイアンのロフト角だ。今週から「ピン G440 MAX」のシャフトを「TX」から「X」へ軟らかくした。「弾道が低いのでなかなかグリーンで止められなかったり、ティショットでフェアウェイにキャリーしてもラフに突き抜けることがあった。それを少しでも改善していこう」という狙いがあった。
シャフト自体は「グラファイトデザイン ツアーAD GC」を継続して使用。硬さだけを変えたことで違和感なく試合に入れたという。3日目には7番ウッドでイーグルチャンスを演出。「打ったことのないくらいの高い球が出た。このクラブだったら大丈夫と思って打てた」と手応えを口にした。
また、アイアンも日本プロから、3種類のロフト角をすべて1度寝かせた。ピンの担当者によると、こちらも狙いは弾道の高さを出すための工夫だという。
クラブのラインアップは変わらなかった一方で、唯一変わったのがボールだった。タイトリスト「プロV1x」の2025年モデルから、27年モデルとみられる新ボールにスイッチ。最終日は強風が吹きつける難条件だったが、その性能を実感した。「風への当たり負けも少ないし、距離もしっかり出てくれる。横風が多い中でも、負けずにまっすぐ飛んでくれた」。4日間を通じたパーオン率77.8%は全体1位、フェアウェイキープ率73.2%も全体4位だった。「ウェッジのスピンもすごく効いてくれる」と話す新ボールも、スコアメークを支えた。
14本の中に施した小さな変更。その狙いだった「高さ」は、日本タイトル2冠という結果に表れた。
<最終日のクラブセッティング>
ドライバー:ピン G440 LST(10.5度を11.5度に調整)
シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD GC(長さ44.75インチ、重さ60g台、硬さTX)
グリップ:エリートグリップ
フェアウェイウッド:ピン G440 MAX (4番15度、7番21度)
シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD GC(4番=70g台、X/7番=80g台、X)
アイアン:ピン G440(5、6番)、i230(6~8番)、ブループリント T(9番、W)
シャフト:日本シャフト NSプロ モーダス3 ツアー120(TX)
ウェッジ:ピン s159(52、56、60度)
シャフト:日本シャフト NSプロ モーダス3 ツアー120(X)
パター:ピン 2021 KUSHIN 4
ボール:タイトリスト プロV1x<プロトタイプ>