石川遼のフォトギャラリー
2014年 ファーマーズインシュランスオープン
期間:01/23〜01/26 場所:トーレパインズGC (South)(カリフォルニア州)
米ツアー初優勝なるか? 石川遼、6位浮上も「紙一重だった」
「ファーマーズインシュランスオープン」3日目、通算2アンダーの32位からスタートした石川遼は、序盤4ホールで3ボギーを叩く不穏な立ち上がり。だが、その後の14ホールで6バーディを奪ってカムバックに成功し、この日「69」で通算5アンダーとしてホールアウト。首位と3打差の6位につけ米ツアー初優勝を視界に捉えた。
7時45分、まだ朝露に湿るトーレパインズGCの1番ティからスタートした石川。早朝から駆けつけたコース脇の熱心なギャラリーも、最初の数ホールでこの日の結末を予見することは難しかっただろう。
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1番はアプローチを寄せきれずにボギー発進。続く2番はピン上6メートルからファーストパットがカップ横を勢いよくすり抜けて3パット。4番ではバンカーから3メートルに寄せるも、このパットを決められず、早々に3ストロークを落とした。
さすがに石川も感情を波立たせた。続く5番のティショットを右クロスバンカーに打ち込み、ボール球は自球が作った溝の中で止まってしまう不運。「薄く入れたら手前のアゴ(に当たること)もある。少し(球の)手前から(クラブを)入れて、手前の花道でもいいと思った」。バンカーショット後は球の行方を見ようともしなかった。
「ちょっと厚めに入ったのもあって、“やっぱりショートだよ…”という感じはあった」
ところが、球は風に運ばれピン下4メートルに着弾。このバーディパットをねじ込んだ。
「紙一重という部分はあった」。石川は素直に認めた。「あの辺をボギーにしていたら、かなり厳しくなっていた」。
続く6番(パー5)、そして9番(パー5)をバーディで折り返すと、後半はショットに切れが増し、さらに3つのバーディを積み重ねた。この日60台のスコアをマークしたのは、石川を含めわずか5人だけというコースで圧巻のカムバックだった。
「パッティングで流れが変わった。5番のバーディを獲るまではちょっとバタバタしていたけど」。スコアを左右しかねない感情の起伏も、「あまり自分をだますのはよくないと思うから」と今はそのまま受け止めている。結果的に3ボギーから盛り返したこの日のようなラウンドが、肌触りのある経験として蓄積されていくことを優先しているためだ。
最終日は最終組の2組前からティオフする。「優勝がすべてではない」と石川は言う。1打の重み、1ポイント(フェデックスカップ)の重みをひしひしと感じながら。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/今岡涼太)