池田、42位に浮上するも納得のプレーには至らず
2010年 全米オープン
期間:06/17〜06/20 場所:ペブルビーチGL(カリフォルニア州)
タイガー復活を予感させる18番のスーパーショット
大会3日目、タイガー・ウッズは最終組から13組前の午後1時40分にティオフ。トップと7打差の26位タイからスタートしたタイガーは前半で3つのボギーを叩いてしまうものの、バックナインでバーディラッシュの猛チャージを見せた。 後半5つのバーディを含む合計8つのバーディ(3ボギー)を奪った今日は5アンダー「66」。
前日終了時の4オーバーから通算1アンダーとしている。順位も前日26位タイから単独3位までジャンプアップ。通算6アンダーでトーナメントリーダーのダスティン・ジョンソンとは5打差で明日決戦の最終日を迎える事になる。
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午後1時ぐらいから北西の風が吹いたペブルビーチ・ゴルフリンクス、大会委員会はティの位置を前方に動かして積極的に攻めるゴルフを誘った設定となっていた。しかし風とグリーンの固さと速さに加えてトリッキーなピンの位置は選手を苦しめた。予選を通過した83名の平均ストロークは75.08(パー71)。タイガーもスタートホールでバーディ逃しのパーとしたあと2番と3番で連続ボギー。多く詰めかけたギャラリーからも重い空気やがっかり・・というため息が感じられた。特に3番はサンドウエッジでグリーンオーバーして凡ミスともいえるボギー。ここ でタイガーはズルズルとスコアを落とさずにこらえた。
ティの位置が40ヤード前方に設定されて約290ヤードのパー4となっていた4番でタイガーはグリーン手前までティショットを運びバーディを奪取。フォローの風となる5番(178ヤード)はピン傍にピタリと止めるスーパーショットを放ち連続バーディ。このホールでのアイアンショットは長いインパクトゾーンを示す美しいショットだった。6番のパー5は打ち上げていく2打目を3番アイアンで右からの風と喧嘩させる高度な高いフェードボールで2オンに成功。イーグルパットは外してしまったが3連続バーディに成功。
後半に入るとパットの読みと距離感が冴えまくる。11番で難しいパットを入れると13番と16番でスライスライン、17番では大きく曲がるフックラインを見事に沈め大きな歓声がシーサイドに響いた。圧巻だったのは最終18番。ティショットは右サイドで木の後ろに止まってしまい3オン狙いだと思われた。グリーンのフロントエッジまで260ヤード、ピンまで276ヤード。風は右から海に向かって吹いている状況でタイガーは3番ウッドでスライス回転をかけて見事に2オンに成功。7メートルのイーグルトライは惜しくもショートして右に逸れてしまったがこの日8つめのバーディでフィニッシュ。
2年前のトーレパインズGC開催の全米オープンでもタイガーは膝の痛みをこらえて3日目のバックナインでスコアを伸ばしたが、今回も「ムービングデイ」の3日目にバーディを重ねて単独3位まで浮上した。プレー後のインタビューでは良い内容のゴルフが良いスコアに繋がったという満足感で表情はとても明るかった。出来れば通算イーブンパーか1オーバーぐらいまでスコアを戻したかったという目標設定でスタートしてそれを上回るスコアをたたき出した。
明日の最終日は午後に風が強くなるという予報がありタイガー自身も優勝スコアは明日の風がどうなるかわからないので設定しにくいと返答していた。
トップは6アンダーまで伸びている分、明日も積極的なゴルフが必要となる。リーダーのダスティン・ジョンソンとは今週練習ラウンドを一緒にこなしていたがタイガーは「あいつの飛ばしは異次元。最低でも2番手違うんだ。」と呆れかえっていたほど。もちろん最終組の一つ前ということで一緒の組で回る威圧感が出せないがギャラリーの歓声で間接的にプレッシャーをかけることができる。これまで一度も逆転でメジャー競技を勝ったことがないというジンクスを一蹴して「タイガー復活」に期待しよう。明日は後半上がりの5ホールに注目だが、まず前半多用するロングアイアンと3番ウッドのティショットが鍵となる。特に前半でしっかりとフェアウェイを捕らえることでバーディチャンスが広がるだろう。
★ラウンド データ
・スコア: 66(35ー31) 6アンダー、通算 74-72ー66(1アンダー)
・バーディ: 8ホール
・パー: 7ホール
・ボギー: 3ホール
・パー3: 2アンダー
・パー4: 1アンダー
・パー5: 2アンダー
・フェアウェイキープ率: 78.57% (14ホール中 11ホール)
・パーオン率: 61.11% (18ホール中 11ホール)
・バンカーセーブ率: 0% (1トライ 0回セーブ)
・合計パット数: 26パット