フィッツパトリックのフットワークに衝撃 足ってこんなに動かすの?
◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント presented by Workday 最終日(7日)◇ミュアフィールドビレッジGC (オハイオ州)◇7569yd(パー72)
ミュアフィールドビレッジの打撃レンジで世界ランキング上位者のスイングを眺めていると、ある一人の選手に目が釘付けになった。今季「RBCヘリテージ」「チューリッヒクラシック」で2週連続優勝を果たし、好調のマシュー・フィッツパトリック(イングランド)だ。何が気になったかというと、とにかく足がよく動くのである。
ドライバーでは昔ながらのヒールアップ、ヒールダウンがあり、さらにかかとを下ろした後、ハーフウェイダウン付近で左足つま先が浮き始める。インパクトではかかとを引き、つま先が開き始め、フィニッシュに向けて左足はそのまま靴一足分ほどお尻側に引き、つま先は飛球線を指す。見ているだけで足の動きが忙しく、上半身やクラブに目がいかないほどだ。ここまで足を動かしていいものだろうか。
世界1位スコッティ・シェフラーの右足が左足にすり寄るような動きは有名だが、それとも異なる足の使い方。フォロースルー時の前足の動かした方はバッバ・ワトソンにも似ており、どこか力を逃がすようにも見える。あれこれ推測しても仕方がないので、どのような意識なのか、本人に直撃してみた。
「ここ1年くらい、アイアンショットのために練習してきたことなんだ。それがだんだんドライバーにも表れるようになってきてね。練習するほど、動きが大きくなってきた感じかな」とフィッツパトリックは身振り手振りで解説してくれた。ドライバーの飛距離アップのためかと思いきや、アイアンのためだったという。
「足の使い方を変えたことで多少飛距離も伸びたけれど、やはり大きいのはコントロール面だね」と、あくまで方向性向上が主な狙いだと強調する。
では、足を使うタイミングはどう考えているのだろうか。「『このタイミングで足を動かそう』と意識しているわけではないんだ。自然に動いている感じで、練習していくうちに慣れてきたというところかな。意外と無意識に動かしているよ」
でも、なぜアイアンに足の動きが必要なのか。むしろ安定感が損なわれそうにも感じるが…。
「実はショートアイアンに大きな問題を抱えていて、どうしてもスティープ(鋭角)に入りやすくなるんだ。クラブをもう少しフラットに使いたいんだけど、自分は腕が長いから、そもそもやり辛い。それを助けてくれるのが、前足(左足)を蹴る動きなんだ。それによってローテーション(回転)が増えて、スティープに入るのを防いでくれる。回転しやすくするために、スタンスも以前より広くしているよ」と背景を説明してくれた。
コーチのマーク・ブラックバーン氏と時間をかけて取り組んできたというこのスイング。足の使い方もショートアイアン対策の一つだったという。それにしても足の動きだけ見ると、かかとを上げて下ろして、つま先で蹴って後方へ引きながら足先を開くなど、動きが複雑すぎないか。
「良い子は真似しないように…」とも思うが、腕が長くてスイングに悩んでいるゴルファーにとっては、フィッツパトリックの足の使い方は一つの参考になるかもしれない。(オハイオ州ダブリン/服部謙二郎)