藤本佳則が7年ぶりの米ツアーで測る現在地 大学の後輩・松山英樹とは「天と地の差」
◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 事前(6日)◇横浜CC(神奈川)◇7322yd(パー71)
目が輝いていた。「キラキラしたと思う」。藤本佳則がそう振り返ったのは、世界ランキング20位でPGAツアー今季2勝のジェイコブ・ブリッジマンとの練習ラウンド。その表情には、終始笑みが浮かんでいた。ときにはブリッジマンのスイングを、自身のスマートフォンで熱心に撮影。「日本の選手とは、すべてが違う。スイングスピードもそうだし、圧力も違う。参考にできるかどうかは分からないけれど、撮って勉強したいなって」。36歳にとって、本大会は2019年「全英オープン」以来、7年ぶりの米ツアー出場となる。
5月「関西オープン」で12年216日ぶりの復活Vを飾った。日本ツアーの年間ポイントランキング5位(9月28日時点)の資格で出場権をつかんだ。前週の日本ツアー「ドラッグストア・コスモスカップ」では4位に入り、今季5度目のトップ10フィニッシュ。調子は「ぼちぼちかな」と言いながらも、その表情には充実感がにじんでいる。
「PGAの選手がたくさんいる中で、自分が何を学ぶか、どう感じるか、自分自身もすごく楽しみ」。前身の「ZOZOチャンピオンシップ」時代を含めても、本大会への出場は初めて。プロ2年目だった12年の初優勝後、長く左肩や左親指痛に苦しみ、勝利から遠ざかった時期もあった。だからこそ、世界最高峰のツアーで自身の現在地を冷静に見つめている。「土俵が違うからね。有利なのは日本のコースというだけ。それ以外はすべてにおいて負けているから。本当にすごい選手ばっかなんで、やってみな分からん」
そんな言葉の先に、とりわけ意識する存在がいる。東北福祉大の2学年後輩、松山英樹だ。この日は会うタイミングがなかったものの、最近はとりとめのない電話をしたという。松山について「僕らの世界では、天と地の差がある」と語り、さらにこう続けた。「もし僕が(この大会で)上にいったとしても、そんなのになんの価値もない。積み上げているものが違うんだから」。世界の最前線で長く戦い続ける後輩への、率直な敬意がにじんだ。
だからこそ、背伸びして大きな目標を立てるつもりはない。世界最高峰のツアーで戦うこと自体が、いまの自分を知る貴重な機会になる。それでも、PGAツアープレーヤーといえど、同じフィールドに立てば選手同士。試合が始まれば闘争心が湧くのでは――との問いには、「どうなんですかね、分からない」と笑ってかわした。(横浜市保土ヶ谷区/中村文香)