タイガー・ウッズが単独首位!/エミレーツオーストラリアンオープン 2日目
2004年を振り返って(第1弾)/タイガーVS.ビジェイ、今季はビジェイに軍配
今年最大のゴルフニュースと言えば、やはり世界No.1の座の入れ替えだろう。ビジェイ・シンが歴史に残る素晴らしいシーズンを送り、メジャー優勝を含む米国ツアー9勝を挙げ、ついにタイガー・ウッズから世界ゴルフランキング1位の座を奪った。そのビジェイを支えてきたセオリーは「肉体強化」だ。
ビジェイ・シン
「2001年から2002年と徐々に筋トレの量も増やしてきました。ワークアウトにかける時間や量を増やしたことで、スイングの完成度が高まった。またスイングが力強くなり、打っていてフィーリングも良くなった」
トップ選手の殆どがワークアウトをする中、ビジェイの力強さは彼を大きく支え、「練習の虫」と言われる熱心さが彼の精巧なショットを生み出している。しかし、今シーズン最も大きくビジェイが飛躍した最大の武器は彼のショートゲームの向上。パットの安定がビジェイを完璧なプレーヤーに仕立てた。
一方のタイガーはスランプだと責められる中、常に言い続けた言葉がある。
タイガー・ウッズ
「今は忍耐強くいなければならない時期なんです。改善しようとしている部分がまとまり始めているので、辛抱強くやっていかなければならない」
世間がタイガーの最大の過ちはブッチ・ハーモンと疎遠関係になったことだと言い続けた中、タイガーはついに、親友マーク・オメーラのコーチでもあるハンク・ヘイニーをスイングコーチに迎えてスイング改造をしていることを認めた。
結果、日本の「ダンロップ・フェニックス」での初優勝、そしてタイガーが主催する「ターゲット・ワールド・チャレンジ」では、多彩なスーパーショットでハリントンとの激戦を制して「復活」を世にアピールした。
ビジェイが弱みを一切見せない完璧なプレーヤーに進化した中、タイガーも復活を遂げたとすると2005年はゴルフ史に残るような素晴らしい激戦が期待できるかもしれない。
◇2人が共に参戦した試合でのデータ
両者が共に参戦した試合数は18試合。うちビジェイが3勝、タイガーは1勝。メジャーはビジェイが1勝、タイガーは0勝。しかしトップ5入りはタイガーが9回、ビジェイは4回。トップ10入りとなるとタイガーは13回なのに対し、ビジェイは7回だった。