【羽川豊’s EYE 全英オープン最終日】経験が結果となったクラークの勝利
英雄扱いのハミルトンだがメジャー制覇の前兆はあった
プレイオフで世界No.2のアーニー・エルスを下し、第133回「全英オープン」チャンピオンに輝いたトッド・ハミルトン。勝利の美酒に酔う暇もなく、新星の英雄は過密なスケジュールに翻弄されている。
すでに決まった取材だけでも、火曜日にはニューヨークでCNNの看板番組「アメリカン・モーニング」に出演。ESPNの「コールドピザ」に出た後、FOXニュースにも登場し、夜には「デビッド・レターマン・ショウ」。さらに松井稼頭央の所属するニューヨーク・メッツの本拠地、シェイ・スタジアムでの始球式まで決まっている。
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一方、アメリカでの中継では「またしてもアメリカの新しいシンデレラボーイの誕生だ」と、ハミルトンは紹介されている。しかし一昨年のベン・カーチスと今年のハミルトンは違う。両者ともノーマーク選手としての見事な優勝劇ではあったが、ハミルトンは世界中ですでに12勝していた。03年には日本ツアーで4勝を上げている。
アーニー・エルス
「ハミルトンは優勝実績がしっかりある選手。その優勝がどこのツアーであっても、実績は実績。やはり優勝経験のある選手は粘り強いプレーができる。素晴らしいプレーヤーだ」
ついプロゴルフを取り巻く環境はPGAツアーや欧州ツアー、そしてネーションワイドツアーに目を注ぎがちだが、才能ある選手は世界中に散らばっている。
アーニー・エルス
「ゴルフ社会は気がついていないが、世界は広いんだ。アメリカや欧州にしか一流選手がいないわけじゃないんだ」
トッド・ハミルトン
「僕は前々から、どのツアーであったとしても試合に勝てる力があれば、その経験は蓄積され大きな大会で戦い抜く力につながると信じていました。たとえジュニアの大会であっても勝ち癖のようなものを身につければ確実に自信につながり、ビッグな大会では力になるんです」