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2024年 ソニーオープンinハワイ
期間:01/11〜01/14 場所:ワイアラエCC(ハワイ州)

“3日間二日酔い”だった1勝目から7年 アルコール依存症、うつ病と闘う30歳の歓喜

◇米国男子◇ソニーオープンinハワイ 最終日(14日)◇ワイアラエCC(ハワイ州)◇7044yd(パー70)

プレーオフ18番(パー5)、12mもあるバーディパットを前にグレイソン・マレーは腹をくくった。「ショートすれば、100%入らない」。強気に打ち切って流し込み、雄たけびを上げた。

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1.5mもないチャンスにつけていたアン・ビョンフン(韓国)が決められずにタイトルをつかむと、4月に結婚式を挙げる予定の婚約者・クリスティアナさんと喜びを分かち合った。

ルーキーだった2017年「バーバゾル選手権」で初優勝。SNS上で物議をかもす発言を繰り返し、“問題児”のレッテルを貼られていた23歳の生活は荒れていた。

「優勝した時は3日間、二日酔いでプレーした。お酒がはけ口だったし、自分は無敵だと思っていた」。その状態で成績を残し続けられるほど、PGAツアーは甘くない。優勝の翌シーズンを除いてフルシードの125位以内には一度も入れず、下部コーンフェリーツアーへの降格も経験した。

「ルーキーイヤーの優勝は、僕にとって最高の出来事であり、最悪の出来事でもあった」。1勝を挙げた時には粗さが目立ったグリーン周りのスキルを磨くこと以上に、自らの内面的なものと向き合った。

「不安神経症、うつ病…。飲酒が多くの問題を引き起こした。他人と自分を比べ、自尊心を保とうと必死になる。それらは誰もが抱える共通の問題かもしれない。でも、一人で立ち向かうのに疲れて、ある日助けを求めたんだ」。浴びるように飲んでいたお酒を断ち、アルコール依存症のリハビリ施設に通った。

数年前からSNSもやめた。「ソーシャルメディアは素晴らしいものでもあり、悪いものでもある。(見なくても)みんなの応援を感じているし、母にも『ツイッターは見ないで』と言っている」。ほかの選手を貶めるような発言で批判された若手時代とは違う。

「僕は少し嫉妬深かった。同じ年、あるいはその前の年に出てきて、成功を収めている選手たちに嫉妬したんだ。嫉妬はいいことではない。人にはそれぞれ道があり、なりたい場所にたどり着くための方法があると思う。僕は30歳で、ずっとなりたかったゴルファーにこれからなれるような気がしているんだ」

フルシード、初めての「マスターズ」切符、残るシグニチャーイベント(昇格大会)7試合の出場権…。PGAツアー選手として手にした勲章以上に、7年前から少しだけ変わることができた自分自身が誇らしい。(ハワイ州ホノルル/亀山泰宏)

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