“飛ばないボール”を競技ゴルフで使用へ R&A、USGAが新ローカルルールを提案
PGAツアーは“飛ばないボール”を支持せず 提案新規則に意見分かれる
PGAツアーはゴルフルールの統括団体が提案している“飛ばないボール”の競技での採用を見送る考えを示した。ジェイ・モナハン・コミッショナーが26日、選手向けの文書で明らかにした。
R&Aと全米ゴルフ協会(USGA)はことし3月、ゴルファーの伸び続ける飛距離への対応策として、プロツアーやトップアマチュアによる競技で、従来よりも飛距離が落ちる球を使用するローカルルールの将来的な採用を呼び掛けた。新規則の下で製造されたボールを使用した場合、世界で最もヘッドスピードの速い部類に入るロングヒッターによる1Wの飛距離が14から15yd落ちる計算になる。
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両団体は用具メーカーに対して提案を通達し、2026年1月のローカルルール採用を目指して各国の競技団体等からフィードバックを集めていたが、モナハン氏は文書で「飛距離増長を制限することについて、ある程度の指示はあったが、提案された修正ローカルルールには正当性がなく、ゴルフにとって最善の策ではないという考え方が優勢」と言及した。
R&A、USGA、メーカーとの協力を進めながらも、「選手やファン、あらゆるレベルのゴルフへのサービスを提供するためには、提案されているローカルルールを支持できない」と続けた。
男子メジャー「マスターズ」を主催するオーガスタナショナルGCのチェアマン、フレッド・リドリー氏は4月に規則の提案を支持。「全米プロ」、「KPMG全米女子プロ」を主催する全米プロゴルフ協会(PGAオブ・アメリカ)は、5月にルール採用に関する結論を先送りしていた。
修正ローカルルールの採用は一般的なアマチュアではなく、トップレベルの競技者による大会を対象にしている。
選手宛のメモでモナハン氏は、ツアーとLIVゴルフを支援してきたサウジアラビア政府系ファンドPIF(パブリック・インベストメント・ファンド)との合意について「交渉は複雑で時間を要する」とも明かした。