「全英オープン」の優勝賞金は前年比20%増で4億円超 予選落ちでも“参加賞”
2023年 全英オープン
期間:07/20〜07/23 場所:ロイヤルリバプール(イングランド)
「想像を絶する…」平田憲聖 開幕3日前のトップスタートの理由
◇メジャー最終戦◇全英オープン 事前情報(17日)◇ロイヤルリバプール(イングランド)◇7383yd(パー71)
あしたは何時にスタートしようか? 「7時で」と返した22歳の言葉に、周りのスタッフは思わず驚いた。開幕3日前の17日、誰よりも早く1番ティイングエリアに立ったのは日本から来た平田憲聖だった。
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眠い目をこすりながら練習ラウンドを始めたのには明確な理由がある。「朝はどんな感じになるのかと思ったので」。メジャー大会は初出場。“無名”と言える選手は、予選ラウンドのスタート時刻が早朝または夕方になるケースも多いと聞いてきた。思えば、予選会を突破して参戦した昨年の日本ツアーだって、最初の頃はそうだった。厳しい現実がきっと訪れるであろうことを覚悟している。
海外でのプレーは大学1年のとき以来。出身の大阪学院大と提携関係にあるハワイ大との対抗戦で米国を訪れていたが、コロナ禍により海の向こうは遠ざかっていた。プロ2年目のことし5月に「ミズノオープン」でツアー初優勝。憧れていたビッグトーナメントの出場権を自らの手で掴んでみせた。
試合への準備と真剣に向き合いながらも、コースではふとした瞬間に目線が動く。小さい頃はリッキー・ファウラーが大好きだった。トミー・フリートウッド(イングランド)にアダム・スコット(オーストラリア)、コリン・モリカワ…。選手ラウンジの前にいると、ひっきりなしに有名選手がそばを通っていく。「ちょっとギャラリー気分」が湧いてくるのも無理はない。
本場のリンクスの壁は、いま感じているところでは高い、高すぎる。「最初はワクワクしていたんですけど、すべてが想像を絶するコースの難しさです…。半端ないですね。コースもそうですし、天気も。練習ラウンドの中断(この日は雷雲接近による)もいままで経験がありませんでした」。そう実感できたのも、意思を持って早朝練習に臨んだから。「もちろん4日間プレーしたい気持ちもあります」。メジャーともいつも通り、謙虚に対峙する。(イングランド・ホイレイク/桂川洋一)