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もがき続けた1610日 空を見上げたファウラー「肩の荷が下りた」

◇米国男子◇ロケットモーゲージクラシック 最終日(2日)◇デトロイトGC(ミシガン州)◇7370yd(パー72)

派手なガッツポーズも、涙もない。大歓声の中心で、リッキー・ファウラーは空を見上げていた。「僕はじっと静かにしていたけど、周りのみんなが熱狂してくれた。肩の荷が下りたような気がして、いい瞬間だった」。猛ダッシュしてきたキャディのリッキー・ロマノさんに抱き着かれると、ようやく白い歯がこぼれた。

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単独首位で迎えたラスト18ホール。前半で3つ重ねたバーディが、サンデーバックナインに入ってピタリと止まった。14番(パー5)は1.5mがカップをのぞくようにして左を抜けた。15番(パー3)もチャンスを逃し、パー5の17番もラフからのアプローチを寄せきれず。最終18番を前に1打ビハインドと追い込まれた。

「間違いなく助けになった」とうなずくのは2週前の「全米オープン」。首位タイで入った最終日最終組、オクラホマ州立大の後輩であるウィンダム・クラーク(入学後にオレゴン大に転入)に競り負けた。記憶に新しい惜敗が、バーディ必須の状況で重圧をねじ伏せる力をくれた。

セミラフからウェッジでピンそばに突き刺してプレーオフに持ち込むと、再びの18番は右ラフから約190yd、7Iの一打は「完ぺき」と自画自賛するスーパーショット。3mをカップ右から沈めてコリン・モリカワアダム・ハドウィン(カナダ)を退け、「バックナインでチャンスを生かせなかった。でも、どのような形であれ、勝つことはできる」と胸を張った。

2019年「WMフェニックスオープン」での優勝から4年4カ月29日。プロになって初めて勝つまでよりも長い期間、タイトルから見放された。かつて最高4位だった世界ランキングは一時185位まで落ち、優勝争いの常連だったメジャーへの出場すらおぼつかなくなった。

「うまくいくときもあれば、そうでないときもある。良くなるためにいろいろ取り組んで、間違った方向に進んでしまうかもしれない。これほど長い期間、苦戦を強いられるのはつらいよ。でも、そう(再び勝てる日が)遠くないことは分かっていたし、ただ時間をかけ、プッシュし続けるしかなかった」

過去の5勝をともにしてきたキャディと別れ、名伯楽のブッチ・ハーモン氏とタッグを復活したのは昨年のこと。「ブッチと(直接)会ったのは、ここ10カ月で4回くらいかな。(見てもらうのは)ビデオでもテレビでもいいんだ。何であろうと、ブッチは最高のゴルフコーチだと思うから」。師への感謝を口にした上で、優勝を決めた18番グリーンで21年11月に生まれた長女・マヤちゃんを抱きあげられたことを心から喜ぶ。

復活優勝の余韻は、2週後の「ジェネシス スコットランドオープン」、翌週のメジャー「全英オープン」と続く英国での戦いへ向かう道のりでも続く。「JT(ジャスティン・トーマス)とジョーダン(スピース)、それぞれの奥さんも一緒にロンドンに行く予定なんだ。楽しみだね」。みんなが待っていた一日を晴れやかに笑って締めくくった。(ミシガン州デトロイト/亀山泰宏)

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