先週は大活躍でこの人気(Scott Taetsch／PGA of America via Getty Images)

◇米国男子◇チャールズ・シュワブチャレンジ 事前（23日）◇コロニアルCC（テキサス州◇7209yd（パー70）

コロニアルCCのゲートをくぐったときも、クラブハウスで食事していても、たくさんの人が声をかけてくれる。「自分じゃ、まだよく分からないんだ。でも、今はそれを楽しもうと思う」。普段はカリフォルニア州のゴルフ場で勤務するクラブプロ、マイケル・ブロックは今週、主催者推薦で急きょ出場が決まったPGAツアーの雰囲気にも戸惑いを見せる。

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ゴルフ界に大きなインパクトを残したのが数日前のこと。ブルックス・ケプカが優勝したメジャー第2戦「全米プロゴルフ選手権」で、出場した20人のクラブプロで唯一予選を通過。決勝ラウンドでも躍進し、15位に入っただけでなくロリー・マキロイ（北アイルランド）と同組でプレーした最終日の15番（パー3）でホールインワンを決めた。

「何回も言ってきたけれど、ホントに夢の中をクルージングしている」と、周囲で起きていることに心情が追いついていない様子。エースを決めたテーラーメイド製の7Iを3万ドル、いや5万ドル（約692万円）で譲ってほしいというオファーも届いたとか。大会を主催した全米プロゴルフ協会からは寄贈のお願いもある。「まあとにかく、今はあの一打みたいなショットを打たなくては」とゲームに集中しようと必死だ。

スマートフォンには友人をはじめ、他のティーチングプロらから大量の祝福の言葉が届いている。今週の会見場で「返信できていなくて申し訳ない。スクロールしても、スクロールしても終わらない。終わりまでたどり着かないんだ…」と“謝罪”した。

ただ、そのリストに中には驚きの名前があった。「きょう、マイケル・ジョーダンからテキストをもらったんだ」。メッセージの主は言わずと知れたバスケットボールの神様だった。「私はずっとジョーダンのファンだった。（出身の）アイオワ州の小さな子供だった頃、100ドル貯めてエアジョーダンの靴を買ったこともある」。ゴルフ好きでも知られるジョーダン氏は「自分がゴルフというスポーツをこれほど愛する理由を見た」と、ブロックの活躍を手放しで喜んだという。

「どれだけ素晴らしいかなんて言い尽くせないよ」。ティーチングプロの夢物語はもうしばらく続きそう。