夕闇が迫る最終ホールをパーで切り抜けた松山英樹(Warren Little/Getty Images)

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 初日(18日)◇オークヒルCC（ニューヨーク州）◇7394yd（パー70）

1Wショットを右サイドに曲げた最終18番、松山英樹は深いラフから2打目をフェアウェイに刻んだ。残り102ydの3打目の直前、手にしていたロフト52度のウェッジを56度にスイッチ。フルスイングしてピン奥2mにつけ、下りの微妙なストレートラインをねじ込んだ。意地のパーフィニッシュで、2オーバーで第1ラウンドを終えた。

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早朝にコースが霜で覆われ、1時間50分遅れの午後3時過ぎにティオフしたこの日は、一打を守るのに懸命になった。3パットした2番から2連続ボギー。前半はチャンスをなかなか作れず、7番でバンカーセーブ、8番はグリーン左奥のラフから浮かせて1mに寄せるなど、持ち前のウェッジワークが光った。

序盤の後退を取り返せないまま迎えた後半13番（パー5）、3Wでの第1打を左に曲げてクリークに入れた。1罰打を加えて、ラフから前方のフェアウェイに進めても、残りは160yd以上あったが、4オンから5mのフックラインを沈めて会心のパー。

終盤の流れを左右するピンチの場面をしのぎ、続く14番でついにバーディを奪う。1Wショットをグリーン手前のラフまで運び、強烈な左足上がりのアプローチでウェッジのシャフト部分を握ってピン手前1.5mへ。安どの表情が浮かんだ。

オークヒルCCで行われた過去3大会で、いずれも最難関だった17番をボギーにしたこともあり、最終ホールでスコアを落とさなかったことが大きい。1バーディ、3ボギーの「72」。暫定42位と大幅な出遅れは免れた。

ホールアウト時刻は午後8時22分。スコア提出の直後に日没サスペンデッドのホーンが鳴った。この先のタフな戦いを考えれば、ラウンドを完了できたことも、もちろん大きい。（ニューヨーク州ロチェスター／桂川洋一）