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2022年 全英オープン
期間:07/14〜07/17 場所:セントアンドリュース・オールドコース

バンカーから会心のチップインイーグル マキロイが8年ぶりメジャー制覇へ

◇メジャー第4戦◇全英オープン 3日目(16日)◇セントアンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7297yd(パー72)

グリーンを横断する尾根のすぐ向こう、ピンが立つ上の段を目がけたショットに鋭いスピンがかかった。ロリー・マキロイ(北アイルランド)の後半10番、深いガードバンカーからの第2打。カップの手前3mに落ちたボールはスピードを緩めながら、地中に消えた。「入ったのはラッキーだった。こういったビッグトーナメントでは、ちょっとした運も必要なんだ」。もちろん、勝つために――。

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オールドコースは序盤のホールでバーディを稼ぐのが攻略の定石と言える。風向きがほぼ一定で、距離の短いパー4が多く、リズムをつかみやすい。同じ3位から出た同組のビクトル・ホブラン(ノルウェー)は4番までに2バーディ。かたやマキロイは5番(パー5)でようやく最初のバーディが来た。「早いうちにチャンスを逃してしまっていた」と後塵を拝す展開だっただけに「折り返し直前の(3つの)バーディと、10番で我慢が報われた」

渾身のガッツポーズも出て、セントアンドリュースのファンは狂喜乱舞。「DJ(ダスティン・ジョンソン)とスコッティ(シェフラー)が11番でティショットを打とうとしていたから、興奮を抑えようとしたんだけど…」。単独首位で終盤に入り、「66」をマーク。17番で第2打をグリーン右奥の壁際にこぼしても「2パットのボギーで満足」と気持ちを切り替え、最終18番は好調のパターでフェアウェイから寄せてバーディフィニッシュを決めた。

18ホールを残してホブランと首位で並んだ。マキロイが最後にメジャータイトルを手にしたのは2014年「全米プロ」。「自分をどれだけコントロールして、どれほど自分を信じられるかと考えると、(今は)耐えている方が僕には楽なのかもしれない」。押しも押されもせぬプロゴルフ界の顔として第一線で戦ってきたが、8年ものあいだ我慢してきた。

「(最終日は)予想外のことも予期している。自分自身に集中しなくてはいけない。好スコアを出せば、ビクトルや2人のキャメロン(スミスとヤング)、ほかの誰かがどうとは気にしなくていい。3日間、僕は自分のプレーをしてきた。そのおかげでこの位置にいる」

最古のゴルフコースと言われる聖地での全英には、アーノルド・パーマージャック・ニクラスからタイガー・ウッズが受け継いできたもの、あらゆるレジェンドが紡いできた歴史がある。「セントアンドリュースでの全英で勝つチャンスがあること自体、信じられないくらい素晴らしい。この瞬間に感謝している。あしたは夢を現実にしたい」。口元を引き締めた。

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