さっぱりしたフリートウッド(Mike Ehrmann/Getty Images)

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 初日（10日）◇TPCソーグラス（フロリダ州）◇7256yd（パー72）

風になびく長髪と豊かなヒゲが印象的なトミー・フリートウッド（イングランド）。米国でも人気を集める伊達男だが、前週「アーノルド・パーマー招待」から、なんだか顔がすっきりしている。

＜＜　下に続く　＞＞

「本当に気分が良くなくて。クラブを折るか、ヒゲをそるかという感じだったけど、ヒゲをそることにしたんだ」。2017年に欧州ツアー（DPワールドツアー）の年間王者に輝き、翌18年には最高で世界ランキング9位まで上り詰めた実力者。時間の問題とみられていたPGAツアーでのタイトルに届かないまま、昨季はシードとなるフェデックスカップランキング125位からも漏れた。シーズン最強クラスのフィールドとなる今大会も、ギリギリの世界ランク50位（現在は49位）で出場権を確保した。

英国に拠点を置くだけにコロナ禍の渡航制限も少なからずプレーに影響を及ぼしたが、「ただ、自分がやりたいと思うレベルのパフォーマンスができていないだけなんだ。ここ（会見場）に座って、この2、3年のプレーがうまくいかないことに不満を言ったりするつもりはないよ」と潔い。

この日はインスタートの前半でパー5を2ホールともバーディとし、折り返しの最難関18番では60度のウェッジでグリーン右手前のラフから16ydをねじ込むチップインバーディ。後半6番で唯一のボギーを喫した直後、ティショットを大きく曲げた7番ではグリーン奥からの絶妙な寄せでしのいだ。「7番のパーはすごかったね。その後（8番）のバーディも本当に良かった」。6アンダー「66」でトム・ホジーと並ぶ暫定首位発進を決めた。

「ヒゲをそったら15歳くらい若返ったような気がする。みんなから若く見えると言われたよ」とまんざらでもない様子だが、トレードマークが復活する日は近そう。「クレア（夫人）はヒゲがある方が好きみたいだから。僕が冷静さを保って笑顔を絶やさない限り、（ストレス解消で）ヒゲをそる必要はないだろうからね」と笑った。（フロリダ州ポンテペドラビーチ／亀山泰宏）