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2022年 WMフェニックスオープン
期間:02/10〜02/13 場所:TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)

“スタジアム”16番でバーディ 3打差追う松山英樹「チャンスある位置」

◇米国男子◇WMフェニックスオープン 3日目(12日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

3.5m先のカップへのルートは鮮明だったわけではなかった。一瞬静まった巨大スタンドの中心で、ひと呼吸つく。タッチは繊細。ボールがグリーンから消えると、待ちに待った大歓声がこだました。「(ラインは)フックだと思ったんですけど。引っかけたらスライスして入りました(笑)」。フェニックスが最高に熱くなる土曜日の16番(パー3)、松山英樹は最終日につながるバーディを奪い、逆転優勝への視界を開いた。

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予選ラウンドは2日とも「68」ながら、ショットが暴れて苦しい内容。一夜明け、トップに6打差の13位で迎えたティオフ前の練習でもまた、首をひねっていた。身体の動き以前に、ターゲットに向けたアドレス、アライメントがしっくりこない様子。開始1番でフェアウェイからの2打目をグリーン奥にこぼしてボギーにした。

「ドライバーショットはきのうまでに比べたらフェアウェイに行っていました(キープ率64.29%、9/14)けど、アイアンもまっすぐ飛ばないし、きょうはパターも悪かった」。ラウンド中の懸命な試行錯誤は、中盤に成果になった。1Wでフェアウェイを捕らえた8番で「やっと、初めて良い感覚で打てた」という7mの下りのバーディパットを流し込み、続く9番でも4mのチャンスを生かした。

後半インは過去2勝の実力を発揮した。「曲がり幅がきのうまでに比べて少ない。曲がらない」と強い気持ちで1Wを振り抜き、15番(パー5)ではど真ん中へ。2打目はフォローでアイアンが片手から離れたが、2オンを確信して5秒後にはキャディバッグからパターを引き抜いていた。ここから3連続バーディ。最終18番は2打目で左サイドの深いラフから渾身の力でかき出し、グリーンに乗せて拍手喝采を呼んだ。

首位と3打差の通算11アンダー7位に押し上げた「66」(6バーディ、1ボギー)のスコアには“伸びしろ”を感じさせる。「きのうまでの状態とはちょっと変わってきている」ものの、本調子とはまだ言えないからこそ「チャンスがある位置というのは間違いない」と言葉に力がこもった。

大会が推し進めるエコ活動の一環で、場内で緑色のウェア着用が勧められたムービングデー。16番では松山の淡いブルーグリーンのパンツが好評で、「思いのほかズボンがお気に入りだったみたい」と大ギャラリーの反応も楽しい。優勝した2016、17年ははいずれも首位からのスタートでプレーオフに競り勝った。次に逆転劇の主役になれば、TPCスコッツデールはいっそう“ヒデキの庭”になる。(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋一)

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