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2022年 AT&Tペブルビーチプロアマ
期間:02/03〜02/06 場所:スパイグラスヒルGC(カリフォルニア州)

断崖絶壁からあわや…スピースが「人生で一番、神経をすり減らした一打」

◇米国男子◇AT&Tペブルビーチプロアマ 3日目(5日)◇ペブルビーチGL(6972yd、パー72)、スパイグラスヒルGC(7041yd、パー72)、モントレーペニンシュラCC(6957yd、パー71)

かの帝王ジャック・ニクラスは、「生涯最後のショットをするなら、私はペブルビーチ8番のセカンドショットを迷わず選ぶだろう」と言った。崖の上のフェアウェイから海の向こうのグリーンを狙う180yd前後の一打は恐怖心との闘い。だが、ジョーダン・スピースは違った意味で、いや本当に命の危機にさらされるほどのスリルを味わった。

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フェアウェイウッドでのティショットがわずかに右に飛び出し、ボールが止まったのはレッドペナルティエリア内、1歩先は断崖絶壁のネイティブエリアだった。

約20m下の海に転落する恐れ、左足下がりからのミスショットの可能性を考え、「マイケル(キャディのグレラ氏)は嫌がって、3回やめさせようとしたんだ」いうが、スピースは「ボールは見えているし、スイングもできる」とドロップしないことを選択した。左足下がりのライから7Iを振った途端、勢い余って落下しないよう、後ずさりするように軽快にステップ。フェアウェイ上で球の行方を見守り、事なきを得た。

「人生で一番、神経をすり減らした一打」。結果的にこの2打目はグリーン左奥のラフに止まり、3mのパットを沈めてパーを拾ったが、「今思えば、賢い選択ではなかった。やる必要がなかったと思うし、実際に後悔している」と振り返る。過去にはカートでの転落事故があった場所だ。「打つときは緊張してアドレナリンも出ていたが、グリーンに向かうときにドキドキしてきた」

気が気でなかったのは、やはりそばにいたキャディ。無事だったスピースに「意味がわからん。その価値があったのか。次に同じことがあったら、ボールを手に取って海に投げ込む。そうすれば打てないだろう」と告げたという。38位から出たこの日は3コースを通じてベストスコアの「63」。通算14アンダーで首位の3人に1打差に迫った。

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