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「しっくりこない」松山英樹 白昼の居残りでウェッジ“特打ち”

◇米国男子◇シュライナーズチルドレンズオープン 3日目(9日)◇TPCサマリン(ネバダ州)◇7255yd(パー71)

時計の針が正午を指す前、上位争いを控えた選手たちが続々と会場入りする。彼らがスタートに向けたウォーミングアップを開始したドライビングレンジ。端の打席に陣取った松山英樹のこの日の打ち込みは、既にプレーを終えた後の居残り練習だった。

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短いクラブを持ち、丁寧に身体とクラブの動きを確認していく。ハイスピードカメラが搭載された弾道計測器に時折、目をやりながら何度もひねる首。両腕を固定するベルトを上腕に巻き、上半身の動きを矯正してスイングをする。途中、トイレ休憩を挟んで、ウェッジの練習をいったん終えるまでには1時間27分かかった。

「アドレスからしっくりきていない」。まだ人もまばらだった午前7時過ぎ。前日の後退により5アンダーの57位、トップから4組目のスタートになったムービングデーもショットが整わなかった。前半アウトでバウンスバックが2回あったが、スコアを伸ばし合うコースでそれは苦戦を意味する。

「距離感が合わないというか、前半は結構(ショットが)ショートして、イメージ通りにいかない感じで難しかった」とチャンスをなかなか演出できない。「何を試してもうまくいかない」。その後のバーディは9番、16番のパー5の2つだけ。いずれもアイアンショットで2オンを逃し、チッピングで拾ったものだった。

せめてアンダーパーでのフィニッシュが期待された、4時間弱のラウンド。最終18番をダブルボギーにして、それもかなわなかった。残り123ydから、グリーン手前側の狭いエリア切られたピンを攻めた第2打は左の池に転がり落ち、4オン2パット。「71」でスコアを前日の5アンダーから動かせず、63位に沈んだ。

オフにした2週間の調整が結果につながらなかったことで、精神的なダメージは大きい。「ちょっとしたことが積み重なって、いまグダグダになっている」。練習場でいっとき、1Wを握ったが、持ち直したウェッジでまたスイングを続けた。クラブをキャディバッグに収めたのは午後2時前。後方でずっとサインを待っていた小さな男の子たちに、使ったばかりのグローブとボールをプレゼントして車に乗り込んだ。(ネバダ州ラスベガス/桂川洋一)

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