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「なんでマスクしてるの?」抱いた違和感と検査体制の強化/チーム松山リポート

新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断していた米男子ツアーが6月、約3カ月ぶりに再開した。松山英樹は2戦目の18日開幕「RBCヘリテージ」で戦線復帰し、1週のオフを経て今週「ロケットモーゲージ・クラシック」に出場する。ツアーは依然として無観客での開催を続け、各試合で検査や隔離体制を整備。未知の体験、試行錯誤の連続…参戦7シーズン目にして味わう“非日常”を、松山をサポートするスタッフたちがリポートした。

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6月下旬、都内での新型コロナウイルス新規感染者数が再び連日50人を超える局面を迎えている。経済活動の再開に伴い、叫ばれる“第2波”への警戒。とはいえ、単純な数字だけで言えば、フロリダ州オーランドに住むチーム松山が置かれている状況とはかなり違う。同州では6月中旬以降、毎日数千人規模で感染者数が増え続け、26日には新規で9557人を記録した(東京都の人口は約1400万人、フロリダ州は2100万人)。

「フロリダでは屋外に出るのが怖いという、日本とは異なるレベルの怖さがある。スーパーマーケットなんかに行くと、周りの人みんながそう(感染者)なんじゃないかと疑心暗鬼になってしまう。人々の意識レベルの違いも感じる」と話すのは飯田光輝トレーナー。日本から移動してきたときの各空港では多く見られたマスク姿の人々の割合も、街中ではぐっと下がったように思えた。ドラッグストアなどではマスクの購入は依然として困難で、ネット販売が中心。50枚入りで50~60ドルというのが相場だという。

“意識の差”で言えば、2週前ツアーに復帰戦となった「RBCヘリテージ」で早藤将太キャディは仲間のキャディの声に驚いた。「練習ラウンドのとき『なんでマスクしてるの?』って聞かれました。なんでって…」。コロナ問題以前からマスク着用の習慣がある日本人との文化の差と言えばそれまでかもしれないが、思わず絶句したのもうなずける。「この前、JT(ジャスティン・トーマス)が話していたように、確かにヒルトンヘッド(RBCヘリテージの開催地)の雰囲気は緩かったと思います。ひょっとしたらフロリダよりも…」。地域によっても違いが見受けられる。

今大会に出場するにあたり、チームは感染リスクを下げるべくフロリダからミシガン州デトロイトまでの移動にチャーター機(プライベートジェット)を利用した。奇しくも前回、予選落ちした「RBCヘリテージ」の2日目以降、毎試合のPCR検査によって選手に陽性者が出た。のちに“偽陽性”の疑いとなったキャメロン・チャンプも含め、6月30日までに計6人が大会の棄権、欠場を余儀なくされている。

ツアーは検査体制を強化し、前週の「トラベラーズ選手権」から会場入りした際のPCR検査体調は、選手、キャディだけでなく、コーチらすべての関係者に範囲をひろげた。陰性と判定された関係者はみな試合中にロープサイドを歩くことが認められていたが、今大会は各選手につき1人に制限された。

「今週のデトロイトはたくさんの人が気をつけている感じはしますね。バナナや水の買い出しに行ったとき、お店の雰囲気がヘリテージのときとは違いました。コースの外では9割くらいの人がマスクをしている感じ」(早藤キャディ)。今大会はクラブハウスに入場する際にマスク着用が義務付けられ、わずか2週のあいだにツアーのなかにも意識的な変化も見られるようになった。それでも「練習中にマスクをしているキャディは…自分以外では1人か2人」。警戒心が緩むはずもない。

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