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「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」 Phoenix, Arizona

2018/04/03 16:00

次の目的地はアリゾナ州フェニックスだった。飛行機を待つ空港ラウンジで、米全国紙「USAトゥデイ」のちいさな新聞記事に目がとまった。“スーパー・ブルー・ブラッドムーン”という見出しで、なにやら近日中に出現するレアな天文現象を解説していた。

(これは取材で世界を旅するゴルフ記者の道中記である)

“スーパームーン”は月がその公転軌道上もっとも地球に近づいたときに起きる満月のこと。今回はNASAが認定しているというところがアメリカンだ。“ブルームーン”は29.5日周期で満ち欠けする月が迎える一カ月で2度目の満月。“ブラッドムーン”は月蝕のことで、月が血を浴びたように赤く変色することから命名された。この3つが同時に発生するという。

それが、いったいどれほどレアなのか? 記事には「スーパームーンを抜きにしても、アメリカでブルームーンと月蝕が重なるのは、南北戦争が終わって1年もたたない1866年3月以来」だと、うんちくを含めて書かれていた。いまから152年前、日本はまだ江戸時代だ。

海抜300mを超え、大気が澄んで乾燥しているフェニックスは天体観測にはもってこい。水曜日の早朝5時から7時頃まで見られるというから、チェックインしたホテルでその時間の月の位置を確かめてみた。うれしいことに部屋の窓はちょうどその方角に面していた。

ちょっぴりドキドキしながら迎えた当日。朝5時のアラームで目を覚ました。窓の外を見てみると、月がぼんやり赤く染まっている。月蝕という言葉から満月が少しずつ欠けていく姿を想像してしまうが、そうではない。すこし地味だが渋茶のように味わい深い光景だ。

頭の中では、ハスキーボイスで囁くようなSIONの「ぶるうむうん」という曲が流れていた。――ある深夜、打ちひしがれた男のもとに女から1通のファックスが届く。「♪カーテンを開けて部屋の灯りを全部消して」という言葉に導かれて外を見ると、大きな月が照っている。「♪願いがかなうんだって そしてきょうがそのブルームーン すごく綺麗だよ」。男はあっけにとられて見惚れている。

スーパー・ブルー・ブラッドムーン。それは、じっくり見られる流れ星のようにも、命の永い線香花火のようにも感じられた。自分の願いはなんだろう?と自問しながら、カメラのファインダーをのぞいていた。やりたいこと、やるべきこと、かぎりある時間。脳裏には幾人かの顔がうかんでは消えていった。静かにかがやく赤い月は、なにかを問いかけるようにじっとこちらを見つめていた。(GDO編集部/今岡涼太)

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