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2015年 全英リコー女子オープン
期間:07/30〜08/02 場所:ターンベリー(スコットランド)

ルイスのバッグ奪還に藍のキャディも活躍

ロストバゲージ(荷物紛失)の恐怖との戦い。それは世界を航空機で飛び回る人々にとっての宿命だ。

フライトを終え、待てど暮らせど荷物レーンに流れてこない私のバッグ。目の前をゆっくり過ぎていくのは、見知らぬスーツケースばかり。そうだ、ひょっとしたら空港の職員さんが、気を利かせて先に引き上げてくれたのかも…。なーんて、淡い期待はするだけムダ。ここは“ロストの名所”ロンドン・ヒースロー空港。ないものは、ない。あの瞬間だけは、どうも自分が世界一不幸な人間に思えてくる。

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世界ランク3位、ステーシー・ルイスは2年ぶりの優勝を狙う「全英リコー女子オープン」の直前、お馴染みのトラブルに見舞われた。

米国フロリダからヒースロー経由でグラスゴーに入ったルイス。商売道具のキャディバッグが行方不明になった。開幕3日前の27日(月)、利用した航空会社に連絡し続けても、うんともすんとも返事がない。火曜日にはプロアマ戦に出なくちゃいけないのに…。

ピンチを救ってくれたのは、宮里藍のキャディ、ミック・シーボーンだった。正確に言うと、救世主は彼の学生時代の友達で、ヒースローの荷物エリアで働いているという。

「スゴイ数のバッグの中から、ミックの友達が見つけてくれた。それをグラスゴーへの最終便に乗せてくれてね」

ああ、これで一安心…だが、そう思ったのもつかの間。グラスゴー空港からターンベリー近くの宿泊先に届けてくれるのは「あした(火曜)の朝9時以降になります」と航空会社の方。「それじゃ、ちっとも意味がない!」

憤慨したルイス。自分のキャディとレンタカーに飛び乗った。ああ、トラブルはどうしてこう続くものなんだろう。空港まであと5マイル。車のタイヤが縁石にぶつかってパンクした。

こういう時はやっぱり男手が頼りになる。ルイスが懐中電灯を照らす隣で、キャディが手を真っ黒にして路上でタイヤ交換に成功。やっとのことでバッグを取り戻し、宿舎に戻ったのは深夜0時半だった。

「イライラしたけど、旅をしていると起こること。前にもあったし、これからも起こる。クラブが戻ってきてプレーできると思ったら、いつもよりよく眠れたわ」。世界をまたにかけて戦う人は強いのだ。(スコットランド・ターンベリー/桂川洋一)

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