開幕前日の練習ラウンド。大山志保は笑顔を絶やさずコースをチェックした

スコットランドのターンベリーで30日（木）に開幕する「全英リコー女子オープン」。今月上旬の「全米女子オープン」で優勝争いを演じ、5位でフィニッシュした大山志保は再びの大舞台で飛躍が強く期待される。

海外メジャーに挟まれた2週の間は地元宮崎で休養した大山。連日の大雨もあって、練習に出たのはわずか2日、ラウンドは9ホールを回っただけ。疲れをいやすには十分な期間だった。前週25日（土）に現地に入り、週明けから練習ラウンドを行うと「コースが難しい。でも、おもしろい。風がもっと吹くと思うと楽しみ。風と仲良くするのが好きなんですよ」と、本格リンクスにもすぐに馴染んだ。

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惜敗後に帰国すると「国内で優勝したときよりも反響が大きかった」という。「全然知らない方から『観ていたよ』と言われたり、電話があったり…。すごく嬉しかった」

称賛の声に続いて必ず「（ダブルボギーにした）12番の池ポチャのことばかり」話題になったことに苦笑いするが、それも次への糧。「今回はどれだけやれるか、どれだけ自分のスイングで戦えるか楽しみ」と、どこまでも前向きだ。

前回の反省を踏まえ、今週のテーマは「平常心でやること」に絞っている。「最終日、ピンを狙いに行ってバーディを獲りにいったらミスをした。後半に入ったとき『優勝だな』と思いましたもん。優勝できると思った瞬間にダメになった。いい経験ができたと思う」

初日は第1組、早朝6時半のティオフ。「それもプラスに考えている。私はプレーが早いので、前の組がいないとどんどん回れる。グリーンもきれいだし。トップスタート、好きなんですよ。（午前）3時起きですけどね」。冷え性のため、寒いのだけは勘弁してほしいというが、捉え方次第でたくさんのことが歓迎できる。

プロ16年目のシーズン。メジャーでの活躍をキャリアの“集大成”にするつもりなど、さらさらない。「『今度は優勝！』と言われるが、自分はまだそのレベルにいっていない。一歩一歩、進んでいくだけ。年齢は38ですけど、まだまだ自分のゴルフ人生は長い」。出場9人の日本勢で最年長にして、世界ランクは最高位。強さを支えるのは、こんなハートの瑞々しさだ。（スコットランド・ターンベリー／桂川洋一）