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マリア・シャラポワ専属の日本人トレーナーがゴルフ界に参入

マリア・シャラポワの専属トレーナーでもある中村豊さん。今年からJ.コルダを担当する

かつては女子テニスの世界ランク1位に君臨し、人気、実力ともに女子テニス界をリードするマリア・シャラポワ選手。テニスファンを魅了してやまない“ロシアの妖精”を支える日本人トレーナーが、米国女子ツアー3勝のジェシカ・コルダの指導を始め、ゴルフ界に参入したことが話題になっている。米国フロリダ州を拠点に活動し、海外で幅広いネットワークを持つフィジカルトレーナー、中村豊さん(42)がその人だ。

コルダの父で、1998年「全豪オープン」男子シングルスを制したプロテニスプレーヤーのペトル・コルダさんと以前から交流があったという中村さん。ペトルさんから「ゴルファーではなく、アスリートとして育ててほしい」と愛娘のトレーニングを依頼され、昨年11月から正式契約を交わして、指導をスタートしたという。

中村さんは「体のケアはもちろん大切だが、加えてトレーニングをすることによって体のバランスを整えること。しっかりと休養をとり、リカバー(回復)する大事さを覚え、総合アスリートとして1年間ツアーを戦えるようにする」と、取り組んでいるコルダの肉体改造方針を説明してくれた。

■中村さんが提唱する「総合アスリート」育成メソッド

“フィジカルが変われば、人生が変わる”。今をときめく錦織圭が13歳で渡米してから20歳までの期間、トレーニングを担当したという中村さんは、『TRAINING NUTRITION RECOVERY』(トレーニング、食生活、回復)の3原則を提唱する。スポーツの種別は異なっても、トップアスリートの肉体を作るための軸となる部分は同じ。中村さんは今もシャラポワに実践している運動面や栄養面に関するメソッドを、身長180センチの長身ゴルファーに余すことなく注ぎ込んでいる。

「ゴルフというスポーツに適合したトレーニングも必要ですが、『総合アスリート』としての運動と、トレーニングの大事さもあります。短期間の目標ではなく、その先を考えてメニューを作り、運動が偏らないように気をつけることが大切です。競技からどうしても溜まってしまう“体の歪み”を最低限に抑えるような運動をすることですね」

さらに「サプリメントとして体に必要な栄養をしっかりととることの大事さは、マリア(シャラポワ)にもいつも伝えていることですし、ジェシカにはセルフアセスメントという日記をつけさせています。その日の行動に加えて、食べたり飲んだりしたもののほか、睡眠時間と朝起きたときの気分、体調などを書き入れる。これには自分で自分を管理できるようになるという利点があります」と、実践するハウツーの一部を明かした。

■“ユタカイズム”が抱かせる期待感

テニス界で培ったメソッドを余すことなく注 テニス界で培ったメソッドを余すことなく注入。中村豊さんの今後に注目だ

トレーニングメニューでは、ジャンプなどの瞬発力を養うものに加え、肩甲骨や股関節の柔軟性や可動域を増やすことを重視して工夫しているようだ。選手とのコミュニケーションの取り方、和やかな雰囲気を作りつつもモチベーションを上げる細やかな気遣い。ワークアウトを行うときのフォームや姿勢など、基本を忠実に守って指導するところなどに、経験に裏付けされた中村さんの自信がうかがえる。

<解説者アンディー和田の視点>

スポーツ種目の垣根を越えて海外のトップレベルの選手たちのパフォーマンス向上に取り組む現在の立場は、疑いようもなく、アスリートたちが寄せ続けてきた信頼によって築き上げられたものだ。最新のスポーツ科学を学び、世界で活躍するトレーニング指導者の姿は、テニスだけではなく、ゴルフ界にもアスリート化への意識をさらに高めることになるのでは? と注目している。日本のジュニア、ユースレベルの指導者にもそのノウハウが伝導され、“ユタカイズム”が広がりを見せれば、今後がとても楽しみだ。

<中村豊さん プロフィール&略歴>
1972年6月18日生まれ
東京都町田市出身
チャップマン大学(カリフォルニア州)卒業(スポーツサイエンス専攻)

<筆者・アンディー和田>
1968年生まれ。14歳で渡米し、南カリフォルニアでゴルフを始めてアリゾナ大学に進学。卒業後の1991年にプロ転向し、アメリカ国内のミニツアーやカナダ・南米・豪州・アジアなど世界25カ国で歴戦。青木功中嶋常幸らの米ツアー挑戦時にキャディも経験した。2000年からはゴルフチャンネルでトーナメント解説者を担当。


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