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2012年 ウェグマンズLPGA選手権
期間:06/07〜06/10 場所:ローキャストヒルCC(ニューヨーク州)

中井学のウェグマンズLPGA選手権レポート/最終日

最後の最後まで盛り上がった4日間でした。アメリカツアーは世界ツアーとしての自負があり、多くの国の選手を受け入れて大会を盛り上げていくことが本当に上手く、その一角を日本人選手がトップランクのプレーヤーとして担っていることを誇りに思います。

優勝したフォン・シャンシャン選手は世界レベルで物事を考え、常に「61」、「62」といったビッグスコアを出そうという感覚を常にとがらせていました。美香選手は2打差の2位に終わりましたが、それ以上の差を感じているところもあります。もちろん勝つ可能性は十分にありましたし、その力も見せられたはず。けれど最後はフォン選手と差は、自分をどれだけ信じられるか、というところにあったように思います。

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とはいえ、プロ転向直後から世界に出た美香選手は、これまで日本を主戦場としていなかったことで低評価を受けることもあったかもしれません。ですが今回の活躍で、宮里美香という選手の持つ力を改めて見せられたのではないでしょうか。

さて、フォン選手の秀でたポイントについてですが、まず全体的な基礎力が高いことは言うまでもありません。ただ、高基準でものごとを考えるところ、ゴルフに対する姿勢といった“マインドセット”の高さは目を見張ります。もちろん、技術や練習の積み重ねがあってこその話ですが「誰にも負けない」といった気持ちの強さが前面に出ています。

こちらで様々な選手にインタビューをしていて考えたこと。外国人選手は試合中、自分のスイングについての話は一切しないんですね。「どういう風にラウンドを進めていこうか」、「気持ちの整理を、どうつけていこうか」という観点を最も大事にしながらプレーをしています。「スイングのここがおかしい」、「こういう球筋を打てるようにならないと」といった技術的なことを話す日本人選手。ここにすごく大きな差を感じました。

日本ツアー、とりわけ女子ツアーでは最近、海外勢の強さが目立っています。ですが裏を返せば日本人選手が弱いということです。韓国人選手に代表される彼女たちは、常に世界に目を向けており、日本ツアーはひとつのステップにすぎません。多くの日本人プレーヤーが、日本ツアーを“ゴール”としているのに対して…。「この程度やれば、日本で勝てるはず」という考えと「もっと努力しないと、気持ちをもっと強くしないと世界で勝てない」というゴルフとの向き合い方のどちらが、結果につながるかは明らかです。

ゴルフに対する姿勢、といったところは我々に与えられた課題なのでしょう。そしてそれは克服できるはず。実際に日本を主戦場としているフォン選手がメジャータイトルを獲得し、試合後「ゴルフをやめたいと思ったこともあったけれど、昨年日本で2勝したことが、自信になった」と話したのですから。(ティーチングプロ/WOWOW解説)

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