順風満帆の日本時代「悪く言えば、手を抜いていた」吉田優利はアメリカでゴルフに“ハマった”
◇米国女子◇BMW女子選手権 最終日(25日)◇パインビーチGL(韓国)◇6784yd(パー72)
吉田優利は以前、自らのことを「人生トントン拍子で来たようなタイプ」と話したことがある。米ツアー初優勝を遂げても、その考えは変わらないどころか、むしろ確信を深めた様子だった。「トントン拍子ですよね、完全に。結構、運がついているなって思うことも多いので」とうなずく。
周囲からは、米ツアー参戦1年目の2024年は必ずしもそうは映らなかった。年間ポイントレース102位と低迷し、一度は突破した最終予選会に再び回ることになった。9位に入って翌年の出場資格を得たものの、シーズンで結果が出なかったことへの厳しい声は、本人の耳にも届いていたという。
それでも、ネガティブなマインドにはならなかった。「自分に改善の余地があるというか、ゴルフに対しての向き合い方が生半可だったかなって思ったんです」
アマチュア時代からナショナルチームで活躍し、プロになってからも、コロナ禍をはさんで優勝するまで、それほど時間はかからなかった。「学生の時から“ちょろっと”うまかったし、普通にちょんちょんってゴルフをして、休んで、自分の人生を楽しみたい感じのタイプだった」。世界最高峰のツアーの壁に跳ね返されたことが、そんな“ワークライフバランス”を見直すきっかけになった。
「ショットは“50%”で勝てると思っていた」。日本ツアー時代は、とにかくアプローチとパッティングのショートゲームに時間を割いた。実際に成績もついてきた。しかし、米ツアーではそうはいかなかった。「ショットも100、ショートゲームも100、身体(フィジカル)も100っていうふうに、全体を底上げしないとダメなんだと気付かされた」
ショットにかける時間を増やせば、注力してきたショートゲームがおろそかになる恐れもある。がむしゃらに練習量だけを増やせば、身体が悲鳴を上げる。ただ、自らのスタイルを結果によって“否定”された以上、変わるしかなかった。
練習を含めた日々のルーティンから、米ツアー仕様に再構築。地道な積み重ねが実を結んで初タイトルをつかみ、しみじみと思う。「アメリカに来て、こんなにも自分がゴルフに“ハマる”と思わなかった。日本で何勝かしましたけど、ゴルフに100%で向き合っていなかったなって。悪く言えば、手を抜いていたじゃないですけど…」。26歳は、最高峰の舞台で新しい自分を見つけた。(韓国・ヘナム郡/亀山泰宏)