大トラブル覚悟…からラッキーバーディ 竹田麗央が全米女子OPに続くメジャー好発進
◇女子メジャー第3戦◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 初日(19日)◇フィールズランチ イースト (テキサス州)◇6604yd(パー72)
折り返しの9番(パー5)、2オンを狙った竹田麗央のセカンドは大きく左に曲がった。カート道を挟んで隣にある18番グリーンの右奥ラフまで転がったミスショットは、トラブルを覚悟してもおかしくない状況だった。
9番グリーン左のスタンドや18番グリーン右の巨大なリーダーボードなど動かせない障害物“だらけ”で無罰の救済を受けることはできたが、ドロップする場所を決めるまでも大変だった。それでも、ベテランキャディのケン・へーリング氏が「セカンドオピニオンを聞いた方がいい」と冷静なアドバイスをくれたこともあり、2人目の競技委員を呼んで対処。提示された2つのエリアのうち、18番グリーン右側のラフを選んだ。
かなりの時間を要した処置にも、竹田は「どこに出せるかが分からなかったので、『ここ』って言われたところで、しっかりパーが拾えたらいいなと思っていました」と落ち着いていた。前は開けていたが、9番のグリーン面は全く見えないアングル。「『45ydを超えれば大丈夫』と言われたので、それは超えるように」。キャリーの距離感だけに集中したアプローチウェッジの一打がピン奥4mのチャンスを演出し、ミラクルバーディにつながった。
「(結果的に)すごく打ちやすいところに出していいと言われたので、ラッキーでした」と振り返った9番以外にもツキを感じた一日。1Wショットが大きく右に飛び出して暫定球も打つほどだった6番でも、OBにならず右ラフに残っていたボールが「すごくいいライ」だった。しっかりグリーン手前まで運んでいけるスペースもあり、寄せワンのパーセーブ。本人は謙虚に振り返っても、ショートゲームを含めて運を生かせるだけのプレーがなければ2アンダー「70」は出せない。
首位発進からの2位フィニッシュを悔しがった3週前の「全米女子オープン」に続き、メジャーで首位に2打差の3位と好スタートを切った。「あしたも自分のプレーに集中して最後まで頑張ります」。最高峰の舞台で堂々と上位争いを演じるルーキーは、風格すら出てきた。(テキサス州フリスコ/亀山泰宏)
