「あ、緊張するのって普通なんだ」 岩井明愛がリディア・コーから学んだこと
◇米国女子◇リビエラマヤオープン 事前情報(21日)◇マヤコバ エル カマレオンコース (メキシコ)◇6583yd(パー72)
サンフランシスコで過ごした前週のオープンウィークは、観光に時間を使ってアルカトラズ島で刑務所跡地も見た。リフレッシュに充てた1週間で、ゴルフをしたのは「ちょっと」。その“ちょっと”が、岩井明愛にとってこれ以上ない濃い時間になった。
知人の紹介で、米女子ツアー通算23勝のリディア・コー(ニュージーランド)とのラウンドが実現。2021年に笹生優花が制した「全米女子オープン」会場のオリンピッククラブを妹の千怜、コーと回った。「すごく落ち着いている印象。ゴルフも落ち着いていて、あの雰囲気で上位で戦えるのがすごいなと思いました」と穏やかな人柄やプレーからトップ選手の貫録を感じた。
「緊張をすることはありますか?」と聞いてみると、意外な答えが返ってきた。「『今でも緊張をする』って聞いて。あ、じゃあ自分が緊張するのは普通なんだって」。試合中の緊張感とは、日本でプレーするときも戦っている。慣れない海外ツアーに来たらなおさらだ。圧巻の優勝争いを演じた2月「ホンダLPGAタイランド」でも、「怖いです、まだ。やっぱり結果を出していかないといけないし、(日本と)環境も違いますし。いろいろ、不安から来る怖さがある」と話していた。「プロアマも緊張する」…というコーの言葉に、ちょっと気持ちが軽くなった。
心身共にリフレッシュして迎えるのは、フェアウェイがタイトでショットの精度が試されるコース。「そこ(狭い所)に打っていける技術が、自分にはあんまりないんですけど。自信を持って振っていけたら良いなと思います」と笑顔で話した。「ブラックデザート選手権」、「みずほアメリカズ・オープン」と直近2試合は予選落ち。「もうちょっと楽にゴルフがしたいです」とつぶやいた時の表情の陰りは見えない。
今週を終えれば、今季メジャー第2戦「全米女子オープン」(ウィスコンシン州エリンヒルズ)が待っている。「来週もすごく楽しみ。今週も一打一打に全力を尽くして頑張りたい」と、いまは緊張も力に変えていけそうだ。(メキシコ・プラヤデルカルメン/谷口愛純)