2025年 シェブロン選手権

夢をかなえた西郷真央の1ヤード 「最後まで逃げず」メジャーで米ツアー初勝利

2025年 シェブロン選手権 最終日 西郷真央
72ホール目のバーディでプレーオフへ。力強くこぶしを握った

◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 最終日(27日)◇ザ・クラブatカールトンウッズ(テキサス州)◇6911yd(パー72)

フェアウェイの中央で、運命めいたものを感じた。メジャー史上最多5人のプレーオフ1ホール目。18番(パー5)の2打目で、西郷真央の前にはピンまで210ydあまりの距離が残った。「さっきと1ydしか変わらない」。10数分前にバーディをもぎ取った正規の18番と同じ7Wを握る。渾身の一打はやはり同じように、グリーン奥のラフまで到達した。

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ギャラリースタンドの前で、無罰の救済も再び受けた。ピンを3mオーバーさせた3打目のアプローチは繰り返さない。「正規の18番の(グリーン)スピードの感触を生かして」ウェッジで転がし、今度はピンそば1mにつけた。

「ほとんど同じようなライから打てた。自分に運が向いていた」。西郷に吹いた風はさらに強くなる。リンディ・ダンカンに続きキム・ヒョージュ(韓国)、イン・ルオニン(中国)、アリヤ・ジュタヌガン(タイ)とバーディトライが次々と外れる。まさかの展開で転がり込んだ絶好のチャンス。全身を貫く震えを感じたまま、ウィニングパットを沈めた。

2025年 シェブロン選手権 最終日 西郷真央
止まらない涙

「夢にまで見たメジャーのタイトル」。その実現は一時、サンデーバックナインで遠のきかけた。スタート時と同じ首位タイのまま折り返した直後の10番でボギー。硬く、速くなったグリーンを攻めあぐね、3パットした11番で2連続ボギーを喫したところから粘り強さを発揮した。「最後まで逃げずに戦い抜く」。12番(パー3)で3mのパーパットをねじ込み悪い流れを断つと、14番でグリーン左から寄せワンパー。終盤の難所を耐えしのいだ。

通算6アンダーで迎えた17番(パー3)、目に入ったリーダーボードで、ジュタヌガンが単独首位から陥落しトップグループに1打差に迫ったことが分かった。「強い気持ちを持って、プレーオフに行く」と誓い、最後は3mのバーディパットを沈めて拳を何度も握った。3バーディ、5ボギーの「74」。懸命な戦いぶりは73ホール目まで続き、日本人史上5人目の女子メジャー制覇を成し遂げた。

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2025年 シェブロン選手権 最終日 西郷真央
さらなる高みを目指して

通算6勝を挙げた日本ツアーを飛び出し、主戦場を米国に移した昨季はゼロ勝。ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝きながら、惜敗のシーンばかりが頭に残る。「きょう(のチャンスを)をまた逃していたら、次にチャンスが来てもまた逃していた可能性もあった。勝つ経験によって今後の自信にも繋がる。勝ち切れて良かった」。異国で日々募る、恐怖にも似た焦りにも勝った。

大会恒例の優勝者による18番脇の池へのダイブ。ずぶ濡れの身体を白いガウンが優しく包む。「世界ランキングもいずれ1位を目指したい」。あこがれ続けたビッグタイトルが、もっと大きな夢の実現を後押ししてくれる。(テキサス州ザ・ウッドランズ/桂川洋一)

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