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2024年 AIG女子オープン(全英女子)
期間:08/22〜08/25 場所:セントアンドリュース オールドコース(スコットランド)

“名物”ホテル越えショットは成功も 渋野日向子「この風と友達に…なれる気がしない」

◇女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 事前(21日)◇セントアンドリュース オールドコース (スコットランド)◇6784yd(パー72)

「あんなに右でいいの?」――。プロアマの後半17番、渋野日向子が放った1Wショットにゲストのアマチュアが思わず声を上げた。「はい、あれくらいで」。本人がうなずいた通り、向かって右にあるオールドコースホテルの小屋の真上を通したドローボールは右からの風も受けてフェアウェイセンターを捉えた。

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インコースは3日連続のラウンドだっただけに「やっと打てました。あれが正解なのかな、と」。試合になれば風の強弱、向きすら変わる可能性もあるとはいえ、ひとつ成功のイメージを持つことはできた。「気になるけど、別に(小屋の壁に)ぶち当ててもいいわ、くらいの感じでやれれば。当てても(打てる場所に)跳ね返ってこないかな…いや、やっぱりダメか」。カラカラと笑いながら、本番でも思い切って振り抜くことを誓う。

ポイントになるのは、やはり吹きつける強風との付き合い方。この日のアウトは7番までひたすら左から、折り返してインは右からの風を受け続けた。同じ方向からのホールが続くことで少しイメージが湧きやすくなるといっても、強弱の加減にアジャストしなければならない。「この風と友達には…残念ながらなれないんじゃないかな」と自嘲気味に言った後で「なるべくね、18ホールの中で一人でも友達になれるように」。一度“つれなくされる”くらいで諦めず、辛抱強く接し続けるしかないと自らに言い聞かせる。

前週に左股関節からでん部にかけて痛みが出て途中棄権するも、日に日に回復して無事ティオフを迎えられそうな状態になった。2019年にメジャー初出場初優勝を飾った特別な舞台。今年からは大会のタイトルスポンサー、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の日本におけるブランドアンバサダーを務める。この日のプロアマも、AIGジャパン・ホールディングスのジェームズ・ナッシュ社長兼CEOと回った。所属契約を結ぶサントリーも大会スポンサーだ。

「この試合に、より近くなれたと感じている。気持ちは入るに決まっているなって」。自然と前のめりになるからこそ、風を含めて想定外の事態をどれだけ受け入れることができるか。「リンクスこそ難しい。やっぱりね、1回プチンとなったら終わりだから」。2位惜敗の「全米女子オープン」、7位フィニッシュの「全米女子プロ」と、苦しんだシーズン序盤の流れを一変させた6月のメジャー2試合でも繰り返したフレーズ。合言葉を胸に刻んでゴルフの聖地に挑む。(スコットランド・セントアンドリュース/亀山泰宏)

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