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起死回生バーディで「諦めるなよ」 古江彩佳に微笑んだピンクの“神様”

◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 最終日(14日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523yd(パー71)

大会30周年を迎えた今年、最終日の会場はエビアンカラーのピンクであふれていた。「ピンクは好きな色なので」という古江彩佳の勝負カラーと同じ色。この時、すでに大会の”神様”は微笑んでくれていたのかもしれない。

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「攻めるプレーをすればいい」と1打差を追いかけた最終日前半は、なかなかチャンスを作れずに粘る展開だった。2番からの連続バーディでトップにプレッシャーをかけたが、4番でこの日最初のボギー。同じ最終組のステファニー・キリアコウ(オーストラリア)が左奥のピンを狙う中、古江は「奥に行くよりは、手前のクラブで。ロングパットで頑張ろう」。グリーンセンターに落とすまでは狙い通りでも、長いバーディパットはラインを読み切れずに大きく横にそれて3パット。「もったいない3パットだった」と悔やむ。

5番、8番のパー3は、ともにティショットがバンカーにつかまるピンチ。どちらもうまく寄せてパーを拾ったが、サンデーバックナインに入った時点で首位とは2打差がついていた。

12番でパーオンを逃してこの日2つ目のボギー。14番(パー3)も「うまく打てなかった」と10mのバーディパットが残る。悔しさにため息をついたが、キャディのマイク・スコット氏から「気持ちを落ち着けて」と声をかけられ、自らを奮い立たせてロングパットを決め切った。

珍しく右手を挙げてバーディを喜んだのは、12mをねじ込んだ15番。「この大会の神様から“まだ諦めるな”っていう思いを感じた」。再び1打差に迫り、キリアコウがボギーをたたいた17番で首位に並んだ。

最終ホールはイーグルを狙えるパー5。「ふだん緊張はしないタイプではあるんですけど…」と言う古江でも、緊張は最高潮に達していた。それまでほとんどフェアウェイを外すことがなかったティショットで右のファーストカットにかかったが、グリーンは狙える状況。「しっかり狙って、オンさせないといけない」。7Iと迷った末に大きい6Iを握った池越えの2打目は傾斜を伝ってピンに寄り、3mのイーグルチャンスについた。

「プレーオフには持ち込みたくなかったので、入れるしかないと思った」と、バーディパットを残していたキリアコウより先にファーストパットを入れて通算19アンダー。逆転優勝で、米ツアー2勝目をメジャーで決めた。

2013年にメジャーに昇格する前は、尊敬する宮里藍さん、日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長が歴代優勝者に名を連ねるなど日本勢が成績を残してきた。「メジャーの中では、エビアンが自分には勝てる可能性がある。この大会では頑張りたいという気持ちがすごくあった」と獲りたいタイトルのひとつだった。「諦めそうになったけど、信じると思いながらラウンドしたのが良かった」と、ピンクの旗を振って祝福するギャラリーの姿を目に焼き付けた。(フランス・エビアン/谷口愛純)

2024年 アムンディ エビアン選手権 最終日 古江彩佳 ハイライト
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