今季限りでの引退を表明したレキシー・トンプソン

◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 事前（28日）◇ランカスターCC（ペンシルベニア州）◇6583yd（パー70）

米女子ツアー通算11勝で29歳のレキシー・トンプソンが28日、今季限りでの引退を発表した。開幕2日前の公式会見で「5歳の頃からゴルフは私の人生だった。別の人生を知らないけれど、素晴らしいキャリアだった」とフルタイムでの参戦を29歳で終えることを明らかにした。

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自身のインスタグラムでは同日、「別れを告げるのは決して簡単なことではないが、確かにその時が来た。2024年いっぱいでプロゴルフから離れることにした。まだ達成したい目標があるので、残りの期間を楽しみたい。人生の次の章を、家族、友人、そして信頼できるパートナーであるレオとの時間を心待ちにしている。これからも、このスポーツ（ゴルフ）に貢献し、次世代のゴルファーを刺激できるような方法を探していきたい。そしてもちろん、自分のための時間も楽しみにしている」とコメントした。

練習ラウンドでは変わらぬ力強さを披露

トンプソンは2007年「全米女子オープン」に予選会を突破して「12歳4カ月」で大会最年少出場を果たした。「天才少女」として注目を集め、10年6月に最年少の15歳126日でプロ転向。11年の米ツアー「ナビスターLPGAクラシック」で16歳7カ月の最年少優勝記録を樹立した。

180cmの長身を生かしたビッグドライブに象徴されるスケールの大きさで、14年「クラフト・ナビスコ選手権」（現シェブロン選手権）でのメジャー1勝を含む米ツアー11勝を積み重ね、日本ツアーでも16年「ワールドレディス サロンパスカップ」で優勝した。

18年連続出場の母国のナショナルオープンを前に決意を公に

しかし、19年6月「ショップライトLPGA」を最後に優勝から遠ざかり、今季は出場6試合で3月末「フォード選手権」で3位に入ったものの、予選落ち4回。自慢の飛距離もドライビングディスタンス34位（262yd）にとどまるなど、近年は若手の台頭に押されがちだった。

時折、言葉を詰まらせた会見では「このスポーツから多くのことを学び、たくさんの友人を得て、人間関係を作った。これからの人生を楽しみにしている。毎週のように試合に出て、毎日同じトレーニングを積むこと以外にも人生にはたくさんのことがある」と、別れを惜しみつつ前向きに話した。

「全米女子オープン」は母国のナショナルオープンで07年から18年連続出場。優勝こそないが19年大会2位など5回のトップ10入りを果たした思い出のトーナメントで引退ロードに踏み出すことになる。