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笹生優花の自宅を訪問 テキサス州ダラスで過ごす22歳の素顔

2021年「全米女子オープン」で樋口久子渋野日向子に続く日本女子ゴルフ史上3人目のメジャー制覇を遂げた笹生優花。米女子ツアー本格参戦4年目の現在は、米国南部テキサス州のダラス近郊に拠点を構えて転戦を続けている。彼女の休日に自宅を訪問し、プレーから離れた22歳の素顔に迫った。(聞き手・構成/石井操)

■転戦生活を支える憩いの場

閑静な住宅街にある自宅は、オレンジ調のレンガで造られた2階建て。3台の車を置けるスペースを持ち、そのうち1台分は米国滞在用に日本から取り寄せた6台のトレーニング機材で占拠されていた。

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広大な米国を中心に飛び回る生活を支える場。1階は笹生が扱うツアー関連の書類などを管理する作業部屋とキッチンがあり、食事は父親の正和さんが作ることが多い。自分がキッチンに立つときの得意料理は「チンゲン菜とかを入れた野菜炒め」。2階には卓球台や大画面で映像が見られるシアタールームが備えられているが、自室にいることの方が多く「全然使っていない」という。卓球台の上には体のケアをするための用具が置かれていた。

普段の服装はジーンズにTシャツが多い。「結構昔のスタイルの、オールドファッションが好きで。ロングパンツに上はカラーが入っているようなシャツとか。でも、自分がそれで歩いたらちょっと変かなって」。クローゼットには同色の服が多いそうで、「ほぼ黒、白、ネイビー系しかない。お母さんが赤色の服とか買ってきてくれるけど、『違うのがいい~』って。ズボンも茶色、黒、ネイビーのみかな。目立つじゃないですか」と、ちょっぴりシャイな一面をのぞかせる。

■休日の始まりは公園から

休日の朝は午前6時30分から7時にかけて稼働し、近所の公園でストレッチ。自宅の機材を使ったトレーニングをそれぞれ20回、2周ずつ行ったあと、1時間半ほど今季から帯同する末野秀実トレーナーが組んだトレーニングに励む。朝食を食べてから、車で30分ほどの所にあるゴルフ場に向かう流れだ。

到着後は備え付けのジムでウォーミングアップをする。「体を大きくしてもケガ をするだけかなって。しっかり動かせる体にしたい」と、インナーマッスルを鍛える動きがほとんど。肩甲骨を正しく動かして可動域を確認したり、骨や筋肉の細かい動きの説明をトレーナーから聞きながら、ひとつずつ丁寧にこなしていく。

末野氏によると、毎回メニューの8割は同じような内容で、残り2割に新しい動きを取り入れる。ジムの滞在は40分前後がベース。そのあとは夕方まで練習場かコースでショットの感触を確かめる。コースがメンテナンス等で使用できないときは、遠征に必要なものや日用品を買い出しに行くときもある。

■アニメからもらった勇気と希望

移動の合間や自由時間は、「ドラゴンボール」や「ワンピース」などの日本アニメ、動画配信サイトで「韓国ドラマやヒストリー的なノンフィクションもの」を見ることが多い。好きなキャラクターは「ワンピースに出てくる『エース』。一番カッコ良くて、シンプルで好き。その次は『孫悟空』(ドラゴンボール)と『ルフィ』(ワンピース)かな」

共通するのは、どのアニメキャラクターもかなえたい 夢を胸に冒険に出るということ。作品を通して「勇気や希望をもらっています」と言う笹生もまた、あらゆる世代に夢を与える側の一人になった。

プライベートでも自宅とゴルフ場を行き来する時間がほとんど。それでも、スポーツ大国の米国で他競技のスポーツ観戦をしたことは2回だけある。

「1回目は、ジョージア大学に進学しようと思っていた17歳のときにアメリカンフットボールを。2回目は、まだ大谷翔平選手がロサンゼルス・エンゼルスにいる時にダラスで試合があって。妹やお父さんとかと一緒に見に行って大谷選手のホームランを見ました」。試合観戦に限らず映画鑑賞など長時間座っていると「なんだか眠くなっちゃう」笹生でも、この時ばかりは盛り上がったという。

■笹生家のモットーは「自分でする」

「できることは自分でする」のが笹生家のモットーだ。試合で着用した衣類の洗濯やスポンサーのロゴワッペンを張り付ける作業は自らの手で行い、洗剤がなければ買い足しに出向く。1階にあるプールの管理も笹生の役目。設置した監視モニターを見て、不具合が起きていないか試合の合間にチェックしている。

「スポーツ選手だと色んな人が手伝ってくれたりする。でも、自分でできるようにしないとプロゴルファーの前に『人間としてどうなの?』って。子どもの時から、自分のことは自分でやるように教わってきた。人に頼ることもあるけど、できるだけ自分でやる。特にゴルフに関しては自分で準備しないと心配になる」

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正和さんの目には、さまざまな失敗を経て成長してきた姿に映っている。幼少期はよく「忘れ物をする子」だった。ゴルフ場にキャディバッグを忘れて帰宅したこともあれば、ゴルフシューズを持って行かずにコースに行った経験もあるそうだ。

自立への意識を強めたのは、日本のプロテストを受けることを意識し始めた18歳あたりから。「自分のミスなら『しょうがない』ってなるけど、人に頼んで思い通りになっていなかったら『なんで』ってなる。疲れちゃうし、『自分でやっておけば良かった』って思う自分も嫌になる」。できることは自分でする。そんな家族のモットーも、笹生というプロゴルファーを形成するルーツの一つになっている。

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