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2023年 CMEグループ ツアー選手権
期間:11/16〜11/19 場所:ティブロンGC ゴールド・コース(フロリダ州)

アクセル踏まずに最終戦自己ベスト 畑岡奈紗が3億円ゲットへ好スタート

◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 初日(16日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6556yd(パー72)

しっかり獲っておきたいパー5の後半17番、畑岡奈紗はフェアウェイからのセカンドで早々にレイアップを選択した。左サイドに切られたピン位置を考えれば、同組のアシュリー・ブハイ(南アフリカ)のように“右手前のバンカーはOK”で突っ込んでいくのもアリなシチュエーション。それも踏まえた上で冷静にマネジメントを組み立てた。

前日はプロアマが中止となるほどの強い雨が降り、夜まで続いた。「雨が降った後のバンカーだと、20yd弱の距離はホームラン、飛びすぎが怖い。逆に厚く入れば手前の低いところに行ってしまって、パットで神経を使う。それだったら、レイアップで3打目勝負の方がストレスがないかなって」。93ydから54度のウェッジショットは、あと少しでイーグルという一打となり、難なくバーディを決めた。

「きょうはそういう(一歩引いた)選択をしているところが多かったと思う」。1打差2位に入った2年前を含め、これまで3度マークしていた「64」を上回る当地自己ベストの「63」は、アクセル全開で攻めまくって出した数字ではない。

雨で軟らかくなったグリーンはミドルアイアンでも十分に止めていける状況だった。ソフトなコンディションを味方につけ、「パッティングがいいので、ミドルアイアンだったら1ピン(約2.5m)くらいにつけられれば、と。(自分への)プレッシャーっていう意味でも、ちょうどいい緊張感で回れた」。適度なリラックスムードはスイング面も同様。練習、実戦と一貫したテーマで臨んでいるものの、「あまり考えすぎないように。全部、完ぺきなスイングにしようとはしていないです」と笑顔で言い切る“ゆとり”がある。

2番からの3連続を皮切りに9バーディを量産。この試合の前まで、年間バーディ数で2位(319個/エミリー・ペデルセン)以下を大きく引き離す342個を奪ってきた攻撃力は、余力を感じさせる戦いでも十分にライバルたちの脅威になる。

年間女王、そしてツアー最高額の優勝賞金200万ドル(約3億330万円)に向け、イン・ルオニン(中国)と並んで最高のスタートを切った。「ショットが少し右に行ってしまうところも何ホールかあって、フェアウェイが軟らかくて救われていたところもある。そこをうまく修正できれば」。小さな課題にしっかりと目を向ける貪欲さがあれば、プレー中は少しリラックスするくらいがちょうどいい。(フロリダ州ネープルズ/亀山泰宏)

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