畑岡奈紗5打差19位で週末へ 渋野日向子は46位で予選通過
2020年 KPMG全米女子プロゴルフ選手権
期間:10/08〜10/11 場所:アロニミンクGC(ペンシルベニア州)
攻めと守りのバランス 渋野日向子は“迷い”を成長の糧に
◇米国女子メジャー◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 2日目(9日)◇アロニミンクGC(ペンシルベニア州)◇6577yd(パー70)
「いやー、厳しいセッティングだけど、(それ以上に原因は)メンタルでしょ」。首位と3打差13位につけた初日から一転、2バーディ、7ボギーの「75」と苦しみ抜いた渋野日向子は自分にダメ出しした。
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心が乱れた。インスタートからボギーが先行して迎えた13番。3Wで刻みにいったティショットを大きく右に曲げた。「あの時点で“カッチーン”でしたね」。ラウンド後こそ苦笑いで2つ目のボギーを振り返ったが、内心は怒りが渦巻いた。15番では1Wショットで力みが出て右ラフへ。セカンドショットは「とりあえず(グリーンの)近くまで行けたらいい」と狙いを定めきれないままユーティリティを握り、左のバンカーへ。3つ目のボギーにつながった。
「いら立ってしまうと、早く打ってしまうのが私の悪いところ。悪いときこそ、ちょっとひと呼吸置いて、考えて打たなきゃいけないと思うんですけど、なかなか試合中になると…終わってからメチャメチャ後悔するんですけど、いつまで経ってもできない」
心の乱れを加速させたのが、厳しいピン位置。「かなり難しかった。『2日目にして、そこ?』みたいな」。終盤ボギーとした8番(パー3)は手前に大きなバンカーが待ち受ける左サイドの狭いエリアに切られた。バンカー右の広いスペースに乗せても、尾根越えの距離感が難しいロングパットが残る。「どこに乗せたら楽なパットが打てるんだろうと思いながら、あんな球になっちゃいました」。グリーン左へ大きく外した1打を振り返った。
「こんな難しいピンポジ、日本では(経験したことが)ないです。時間制限もある中で、なかなか(狙いを)決めきれない。攻める気持ちと守る気持ちがゴチャゴチャして、守るというより守りすぎているし、パーを獲ることに必死。攻めと守りのメンタルバランスって、メチャクチャ難しいけど、でもそれができてこそ、アメリカツアーの上の方で争えると思う。そういうのを勉強していかないといけない」
米国本土では4試合連続の予選通過を「良かった」と素直に喜びつつ、海を渡って過ごした2カ月間の胸中をあらためて言葉にした。「毎日毎日、悔しいですもん。自分のゴルフができて悔いがない日が、やっぱりまだない」。だからこそ、米ツアー挑戦への思いが燃え上がっている。「(順位が)下の方だから、上を見ていくしかないですよね」。背筋を伸ばし、週末の36ホールに挑む。(ペンシルベニア州ニュータウンスクエア/亀山泰宏)