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プレーヤーズラウンジ

<いくつになってもお茶目な45歳、谷口徹>

大会史上初の3連覇がかかった先週のブリヂストンオープンは、練習日にさっそく“あの場所”に立ってみた。最終ホールのパー5で3打目を52度のウェッジで直接入れて、劇的イーグルを奪った場所。袖ヶ浦カンツリー倶楽部の18ホールは懐かしさに浸りに行ったのではない。捜し物をしに行った。

「プレートか何か、埋め込まれていないか、と」。

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神業的なプレーをした選手をたたえて、その場所に名前と日時を刻んだプレートを埋め込んだり、植樹をしたりといった記念行事はよくあることだ。

例をあげれば、2001年のワールドカップ。デービッド・デュバルとアメリカ代表で出たタイガー・ウッズが最終日の最終ホールで見せた劇的なチップインイーグルを称えて、静岡県の太平洋クラブ御殿場コースの18番ホールには、確かにプレートが埋め込まれている。

そのほか、2007年は日本ツアーの歴史を変えた快挙には、記念植樹が行われた。岡山県の東児が丘マリンヒルズゴルフクラブで開催されていたマンシングウェアオープンKSBカップで15歳の史上最年少優勝を飾った石川遼。最終日にバンカーからチップインバーディを奪った17番のパー3には、開催時期だった5月に花を咲かせるという「ピンクチャイム」の木が、石川本人の手で植えられ植樹式も行われた。

それらが記憶にあった谷口は「・・・僕の場所にも植樹とかされてないかなあ?」。もちろん、されていればまず一番に本人に知らされるはずだから、谷口ももちろん、されていないと分かっていて開幕前日の記者会見ではわざとそんなジョークでリップサービスをして、盛り上げたものだった。

そして始まる前までは、「記憶にないくらいに絶不調」と話していたくせに、いざフタを開ければ初日から首位を走り続けて絶好調。おまけに絶“口”調で、クラブハウス横に設置された記者会見用のテントはもっぱら谷口御用達となり、そのうちいつしか「谷口ルーム」と呼ばれるように。

歯に衣着せぬ物言いも、説得力があるのはこうしていくつになっても変わらぬ存在感で活躍を続ければこそ。コースでは憎たらしいほどの強気のゴルフも、ホールアウトすれば真っ先に、スコア提出所に設置された速報モニターで、弟子たちのスコアをチェックする仏の一面も?!

先週の2日目は「武藤も松村もカットっぽい」と、残念そうに言った谷口。なんと心優しい・・・と思ったら、「今年は優勝しても誰もいない。寂しいなあ」。昨年大会は、18番グリーンの横で手荒い水シャワーで祝福してくれた武藤俊憲松村道央は今年は予選落ちをしてしまって、3連覇を達成しても祝ってくれる人が誰もいないと、心を痛めていたのは実はそんな理由だったというのがお茶目といおうか、なんといおうか・・・。憎めない。

結局、そんな本人の心配事も杞憂に終わってしまったが、ゴルフも口も45歳はまだまだ元気いっぱい。それを証明するにも十分の先週の活躍だった。次も、どこかのコースのどこかのホールで記念プレートが埋め込まれても不思議ではない奇跡を起こして、また何度でも世間を騒がせ続けて欲しいな・・・。

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